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「うわあああ…先輩とサシ飲みだぁぁぁぁ」
「何回それ言ってんだよ。嫌なのか？」
「いえっ、逆に嬉しすぎて！緊張で心臓破裂しそうだしなんか明日命がない気がして！」
「そんなことでなくなんねえからさっさと飲め」
「はっ！それでは失礼して！」
終業後。
渡辺先輩に連れられて来たのは初めて来た居酒屋。
他のお店に比べてお客さん自体もお店の雰囲気もかなり落ち着いていて珍しい。
「このお店すごい静かでいいですね」
「だろ？俺の幼馴染がやってんだよ」
「え！幼馴染さんがいらっしゃるのですか！？詳しく！」
「詳しくも何も生まれた病院から一緒の生まれてこのかたずっと一緒にいるヤツだよ。あ、ほらあいつ」
渡辺先輩が指差した先にいたのは動作がすごく麗しい男の人。
渡辺先輩が指差しているのに気づいたのか笑顔で近づいて来た。
「翔太今日も来てくれてありがとう」
「おう。俺いつもの」
「はいはい。それでこちらの方は？」
「この前話した変な後輩」
「ああ。推しの子ね。こんばんは。宮舘です」
「こっ、こんばんは！Aと申します！この度はっ、」
「お前結婚の挨拶でもするつもりか？」
宮舘さんというその幼馴染さんは私たちのやりとりをニコニコしながら見守っている。
「あの、宮舘さん」
「はい」
「私、渡辺先輩の小さい頃のお話とかお聞きしたいんですけど連絡先お伺いしてもよろしいですか？」
「ふふ。いいよ。翔太。この子にLINE送っといて」
宮舘さんはお酒を無言で飲んでいる渡辺先輩そう言うが渡辺先輩はグラスを机にちょっと乱暴に置いた。
「やだぁ！」
「翔太。そんなこと言ってると野菜サラダだけ持ってくるよ」
「やだぁ！」
「じゃあ今すぐ送って」
「…チッ」
舌打ちしながらも私のLINEに涼太という人の連絡先が送られて来た。アイコンは白馬に乗っている宮舘さんらしき人。
「そうそれ。追加してスタンプ１つ送っといてくれるかな」
「はい！ありがとうございます！」
「ふふ。じゃあいっぱい飲んでいってね」
「はい！」
お互いに会釈して宮舘さんのLINEにシナモロールのスタンプを送る。
渡辺先輩に似ていて気に入っているやつだ。
送った後目の前の渡辺先輩に目をやるとビールを飲みながら目だけでこちらを見ている。
「ど、どうしたんですか！そんなかわいい顔してぇ！」
渡辺先輩はビールを吹き出しかけてた。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
