・ ページ10
お互いヒートアップしてもう止まらなくなって。
「もういい!めめ行こ!帰ろ!」
「え、でも…」
「いいから!行こ!もう知らない!」
この日からお互いに無視する生活が始まった。
正直結構ツラいし謝るべきなんだろうけど意地を張ってしまって。
その間もふっかとかめめとかとは仲良くやっていたけど、翔太に対しては話しかけない、近づかない、目を合わせないを徹底してた。
ふっかにお前性格悪いな〜なんて苦笑もされた。
自分でも性格悪いな〜とは思う。でもどうせ自然消滅コースだろうしもうどうでも良かった。
あの日から2週間くらい経った。
委員会を終えて結構遅めの時間に1人で帰っていると門の前に誰か立っていた。
誰かお迎えかな、お熱いね〜なんて思いながら近づいて行ってみるとそれは翔太で。
まあ私にはもう関係ないし、と無視して通り過ぎようとした。
「ねえ」
「…」
話しかけられたけど無視。翔太の方を見向きもしない。
そんな私に痺れを切らしたのか強めに腕を引かれて抱きしめられた。
「ちょ、やめて」
「ごめん。俺…不器用であんまり気持ちとか上手く伝えられねえけどA以外は考えれないくらいにはAのこと好きで、その…今のままじゃ嫌だから、仲直り、しよう」
小さい声でそう言われてなんだ、私がバカだったんだなと思った。
翔太は、ちゃんと私のこと好きでいてくれたじゃん。
私のくだらない嫉妬で翔太傷つけて子供みたいなことして。
「私こそ、ごめん。翔太のこと傷つけちゃった。ごめんね、ごめんなさい」
「…じゃあさ、これからもまだ付き合える?」
「翔太がいいなら…」
「良かった…俺Aと別れたら生きてけないもん」
「大袈裟」
2人で笑って、久しぶりに手を繋いで帰った。
その道中、2人でここに行きたい、キスとかしたいね、なんて話して。
私の家の近くまできたあたりで急に翔太が立ち止まったのでつられて立ち止まると翔太に抱きしめられた。
「何。」
「…なあ。キスしていい?」
「え、ご近所さんが、」
「…スリルがあって良くね?」
返事をする間もなくキスされて、
「大事にしたくて色々と我慢してたけどもう俺我慢しねえからな?じゃあまた明日」
そう言って帰っていく翔太。
確かにキスとかもしてみたいとは言ったけどこんなすぐするとかどういうことですか…?
後日、私がめめと仲良く話してた理由を知った翔太はふっかの財布をすっからかんにしていた。
181人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪野真哉 | 作成日時:2024年3月26日 0時