嫉妬【青】 ページ9
彼氏と喧嘩をしてほぼ自然消滅寸前状態になってしまった。
事の発端は私の嫉妬。
私と彼氏の翔太は付き合って3ヶ月くらいで、まだまだお互いに遠慮とかもしちゃってる関係。
だからデートは数回しかしたことがないし、手も繋いだことはあるけどそれ以上は何も…っていう状態。
もっと2人で色々としたいなという思いを抱いてはいたものの言えなかった私を追い詰めるように目にしてしまった光景。
「何あれ…」
放課後、教室で女子数人に囲まれて楽しそうに話す翔太。
私はあの笑顔を近くで向けられたことがない。
何でそんなに嬉しそうな顔で話すの？彼女は私じゃないの？やっぱり可愛い子の方がいいの？
考えれば考えるほどネガティブになり、どうしようもなくなったので共通の友人のふっかに相談してみる。
「Aのことちゃんと好きだと思うけど〜？」
「でもあれはなんか…悔しいというか…」
「ふ〜ん。じゃあAも嫉妬させればいいじゃん？」
「…と言いますと」
「目黒と仲良くしてるところ見せつければいいじゃん？翔太謎に目黒に敵対心もってるからな〜」
「ナイスふっか」
目黒蓮。
サッカー部のエースで、すごくモテているが、女子嫌いで有名な人だ。
ただなぜか私には懐いてくれているというか…隣のクラスから休憩中にわざわざやってきて、結構ちょっかいをかけてくださる。
女子の皆様の視線はまあまあ痛いけどね。
「めめ〜」
「ん？お、Aじゃん。どしたの」
「今日部活？」
「今日休み」
「じゃあちょっとだけ話そうよ！」
「え、いいの？翔太くんに怒られない？」
「いいんじゃない？あの人も女子に囲まれて鼻の下伸ばしてるんだし」
ずいぶんと棘のある言い方になってしまったが、めめはそっか〜と私の横に並ぶ。
2人で校舎内を歩きながら色々と話をして、めめの部活のこととか色々と聞いて笑っていると後ろから「おい」と低い翔太の声が聞こえた。
めめと振り向くと息を切らした翔太が立っていて。
無言で翔太のことを軽く睨みつけると翔太はずんずん私のそばまで来て私の腕を引っ張った。
「なあお前何してんの？」
「は？なにが？」
「なんで他の男と2人きりで楽しそうに歩いてんの？」
「は？翔太だって人のこと言えないでしょ？自分のことは棚上げですか？」
「マジでお前なんなの？」
「そっちこそ何なのよ！」
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月26日 0時
