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「Aはさ、好きな人とかいないの？」
「ん〜いるにはいるけど…」
「けど？」
「その人モテるから見込みがないというか…」
「そうなんだ」
「うん。照は？」
「いるよ？当たり前じゃん」
「…だよね」
照の好きな人か。
きっと小柄で小動物みたいなかわいい子なんだろうな。
きっと私じゃ、正反対。
「あ、髪の毛に桜ついてるよ」
「え、本当？とって」
「いいよ」
照は私の頭に手を伸ばす。
それと同時に顔も近づけてきて。
遊具で遊んでいる子供たちには見えないようにキスをした。
「え、あ、」
「…ごめんね。なんか、キスしたくなって」
「…好きな子いるのによくないよ」
「うん。いるよ。目の前に」
「目の前…あそこの幼女か…？」
「え、本当にそう思ってる？」
「だって家にシルバニアファミリーあるし…」
「ねえひどい」
照は笑いながら私の頭をなでた。
大きくてごつごつしている手が心地よくて、少し眠くなってしまう。
「Aは、俺のことどう思ってる？」
「どうって…」
「友達？親友？それとも、」
好き？
誘導されるようにうなずくと照は満面の笑みを浮かべて私の肩を抱き、引き寄せた。
されるがままになっていると照に顔を覗き込まれた。
「ねえ。もう一回してもいい？」
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月26日 0時
