お花見【黄】 ページ15
最近桜がきれいなのでお花見をすることにした。
まあお花見って言っても近くの公園でベンチに座って話すだけなんだけど。
メンバーは私と私の親友とふっかとふっかの親友の照。
うわ〜合コンみてえ〜と笑うふっかに軽く肩パンをくらわし、私たちはベンチに座った。
ただベンチもそんなに大きいわけじゃないから4人で並んで座れるわけじゃなくて、メンズが経ってくれている状態。
「なんかこの場面さ、端から見たら厳つめの人とチャラい人がかわいいかわいい女の子をナンパしてる図だよね」
「…お前自分のことかわいいと思ってんの…?」
「なんや、文句あるんか。ぶっとばすぞ」
「や〜んAちゃんこ〜わ〜い〜」
「ねえ照〜ふっかめんどくさい〜」
「俺に言われても…」
照は苦笑しながらも私たちの間に入ってくれる。
こういうさりげない優しさみたいなところが好きなんだよね。
「ねえA」
「どうした我が愛しき親友よ」
「…あのさ、」
彼女は私の耳元でふっかとふたりきりになりたい、と言った。
どうやら彼女はふっかのことが好きだったらしい。
いや〜まったく気づけなかったね。
たぶん彼女は女優だ女優。うん。すごいわ。
てことで。
「照!ポテチ食べたい!買いに行こ!」
「え〜」
「お、じゃあ俺も食いたいから行く」
「じゃあふっかが我が愛しき親友ちゃんと言ってきてくれたまえ。うすしお」
「え〜」
「はよ行け」
じゃあ一緒にいこっか〜とふっかは親友ちゃんの手を引いて立ち上がらせてじゃあ行ってくんね〜と手をひらひらとさせた。
親友ちゃんもそのあとに続き歩き出す。
「いや〜初々しいねぇかわいい」
「…お前まさかあそこが両想いって知ってたの?」
「え、何それ。詳しく」
「え。知らなかったの?本人たち以外知ってると思ってた」
「え〜まじか」
「Aは鈍感だもんね」
照は私の隣に座った。
肩があたってて少し緊張する。
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作者名:雪野真哉 | 作成日時:2024年3月26日 0時