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「まずね、俺は正真正銘Aちゃんが持っている漫画の主人公、深澤辰哉だよ。あんまり証明できるものはないけどね。それからAちゃんのことを知ってたのは漫画の中からAちゃんのこと見てたから、かな」
「見てたってどう言うこと？」
「そのまんまの意味。漫画の中の世界からAちゃんのことを見てたの。たぶんね、初めて俺に会いに来てくれた時から好きだったんじゃないかな〜」
漫画の中の世界。
それは私の想像する物語だけの世界ではなさそうだ。
きっと彼らにも私たちと同じように普通の生活をする時間があるんだろうし、ストーリー通りに進む恋愛ばかりでなく裏で他の子と付き合ってみたり別れたりもしてるんだろう。
こちらの世界でいう俳優さんみたいなものなのではないだろうか。
「でね、俺どうしてもAちゃんに会いたくてちょっと無理してこっちの世界に出てきちゃった」
「漫画の中の世界ってさ、私が見てる漫画のストーリーとはまた別の行動とかしてるの？それとも毎日私が見てるストーリーを繰り返してるの？」
「お、いい質問！あんね、Aちゃんが俺らに会いに来た時だけあのストーリー通りの生活をしてる。でも本が開かれない時は好きなように生活してるよ。だからAちゃんが見てる俺は演技してる俺。ほんとの俺はこれだよ」
「そっか」
「失望した？王子様みたいな人間じゃなくて」
ちょっと悲しそうにそういう彼に私はどう返事をしていいかわからなかった。
がっかりはしてない。むしろ漫画の中のキラキラしてる彼より人間味があるこちらの方が好きだったりする。
だけど、少しばかり王子様な彼を期待していただけに残念だと思ったのは事実なのだ。
「失望は、してない。けど、ちょっとだけ王子様期待してたりもした…かな」
「そっか。なんかごめんね」
「いや人間味あってこっちの方が親近感湧く」
「お、じゃあこのまま結婚しよ」
「しない。でその結婚って何よ」
一番の疑問点はここだ。なぜ一応初めましての人間に結婚しようなんて言えるのか。
結婚はその人がどんな人か、この人と一生を添い遂げられるかとか色々考えた上でするものだと思う。
好きだけではうまくいかないのが結婚なのだ。
たぶん考え方が硬いだとか古いだとか言われるのだろうがちゃんと考えないと失敗しかねない大切なことなのだ。妥協は一切したくない。
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雪野真哉(プロフ) - ずっきーにさん» 初めまして〜！ちょっと他の方とは違った話で楽しんでいただきたいと思ってるのでそう言っていただけて嬉しいです♡ (3月9日 15時) (
レス) id: 783aafc6fa (このIDを非表示/違反報告)
ずっきーに(プロフ) - はじめまして！漫画から出てくるという他にない設定で面白いです！引き続き更新楽しみにしてますー！ (3月9日 14時) (レス) id: 386b7f6774 (このIDを非表示/違反報告)
雪野真哉(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます♡読みにくいとは思いますがこれからもどうぞよろしくお願いします！ (3月9日 12時) (レス) id: 783aafc6fa (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！続きが気になります！試験頑張ってください！！ (3月9日 11時) (レス) id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月5日 18時
