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「っ!危ないっ治!」
そう云うと俺は治を後方へ突き飛ばす。
俺の右腕が何かによって切り落とされる。
良かった、治は切られてないな。
そう思ったが、突き飛ばす距離が足りなかったのか、此方を振り向いていた治は少し斬られていた。
「っA!」
切り落とされた腕を拾いながら俺は治に近づく。
「ごめん、もうちょっと気付くのが早かったら。」
「そうじゃない!どうして僕を庇って、。」
「今、お前が戦闘不能になると困るからな。後俺はどんなに攻撃食らっても死なへんし。」
すると背後から笑い声が聞こえる。
此の声は・・・。
「息災か?小僧共。」
「死んどった割には顔色がええなあ、首領(ボス)。」
「厭、先代首領。」
「異能であの莫迦を傷付けられる筈が無え。」
「参ったねえ。先代の持つ大鎌は異能じゃ無くて実在する物質だ。」
「つまり治でも斬られりゃ死ぬって事や。」
そう云って俺は先代の方を見る。
「先代は死んだ。俺達が見た。そして俺が工作をした。其れに変わりは無い。」
「何をしたの、蘭堂さん。」
治が蘭堂さんを見る。
「私の異能は、亜空間の中にある死体を私が使役する異能生命体に出来る。」
「最も、一度に使役出来るのは一人のみだがね。」
「凄いね。此れ程の異能力を今迄組織に隠して居たのか。其処はAも同じだけどね。蘭堂さん貴方は一体何者何だ。」
治は立ち上がりながら云う。
「嘗ての私は、欧州の異能諜報員だった。そして、日本政府が発見したと云う未知の高エネルギー生命体を奪取する為に、此の国に来た。」
「其れが荒覇吐って事か。」
「私が今回の謀略を決意したのは中也君、唯君を探し出して殺し、先代首領に変わる次の異能生命体として取り込む為だ。」
「太宰君。A君。君達の掴んだ情報を首領が知れば、私に刺客を差し向けるだろう。」
「済まないが、君達も中也君と共に死んで貰う。」
「・・・面白いじゃ無いか。」
自分の服を掴みながら治が云う。
面白い?
「ねえ、此奴等倒そう。一緒に。」
中也を見ながらそう云う治。
「嗚呼ァ?手前は死にたいんじゃ無えのか。」
「少しだけポートマフィアの仕事に興味が湧いてきた。」
嗚呼、此奴は生きたくなったか。
詰まんねえの。
治と俺は同類やと思ったんやけどな。
段々と話を続ける治の声が遠のく。
あー・・・。
流石に此の出血量じゃ死にはせんくてもヤバいわな・・・。
治の戦っとる姿も見たいんやけどなあ。
でももう限界やわ。カメラよ、後は頼んだぞ。
ちょっとだけ・・・、ちょっとだけや。
少し治から離れた位置で俺は倒れる。

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ゆき(プロフ) - 作者ですっ!微妙に題名?この作品の名前変えます! (2021年9月11日 23時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年8月16日 12時

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