道化は〔わらう〕【文スト】〜青の時代編〜 (ページ23)

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風呂場から出ると案の定喧嘩してる二人。
「やっぱり喧嘩しとるんか。」
少し溜息を吐きながら台所近くに居る治を見る。
「治。御免やけど冷蔵庫から麦茶を出して、コップに注いでくれん？」
面倒くさいなぁとか云いながらも、立ち上がってやってくれる治は、やっぱり少し良い奴なんかもな。
「手前！なんだよその格好！」
中也が少しビックリしたように此方を見ながら云う。
今の俺は、裸のバスローブで頭にタオルを掛けただけの格好だ。
「何？もしかして中也。君、子供の裸に興奮すんの？」
「ンな訳無ぇわ、馬鹿がよ。」
ちょっと揶揄ったら少し声を荒げて云う。
「けど、ちゃんと髪の毛ぐらい拭けよ。」
そう云うと頭に掛かっていたタオルを取って拭こうとしてくれる。
だがそれは、いつのまにか中也の背後にいた治に止められる。
「僕が拭いてあげる。こんな身長の低い、荒っぽそうな輩より僕の方が良いと思うよ。」
身長の低い、は要らんと思うけどな。
「俺の方が拭くのは上手いわ。何だって良く羊の餓鬼の頭を拭いてやってんだからな。」
そして何故かそんな治に対抗心的なのを燃やす中也。
そして、どっちが俺の頭を拭くか、と云う題で繰り広げられる口論、喧嘩。
なんでや。
1分程やり取りを見ていたけど、飽きたし、旧双黒ファンに怒られそうやから中也に拭いてもらう事にした。
旧双黒ファンの皆様っ！ごめんなっ！
あ、中也ファンの皆様もごめんなっ！
優しく丁寧に、少し乱暴な感じで俺の髪の毛を拭く中也を見て、何だか少し懐かしい気がする。
なんでやろ。
あ、そう云えば此の躰、元羊属やったよな。
中也に髪とか拭いて貰っとったんかな。
「そうそう。俺、中也に自己紹介してなかったな。」
「俺は檀A。宜しく。」
「おう、宜しくな檀。」
「Aでええよ。中也が檀呼びするなら俺も中原呼びするけど。」
「わかった、Aな。檀A。どっかで聞いたことがある気がするんだけどな・・・。」
「気のせいやと思うよ。」
拭き終わった中也に礼を云いながら立ち上がり、服を選ぶ。
「う～ん、此れでええかな。」
何時もと似たような黒い服にジーンズパンツを選ぶ。
「何時も似たような服着てないかい？偶には違う物も着たらどうなんだい。」
「選ぶの面倒い。」
治たちが居る部屋とは違う部屋で着替える。
躰の包帯を巻き直し、カラコンを外し、森さんから貰った眼帯を付け、治たちの処へ戻る。
机にある麦茶を一気飲みして治達を見る。
「さ、調査に行こか。」