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『ごめんなさいっ!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!ちゃんとするからっ!何でもするからっ!良い子にするからっ!許して下さいっ!』
そう云っても、無慈悲に振り下ろされる手。
浴びさせられる罵倒。
見下ろして来る冷たい目線。
見上げる子供。
【其の気持ち悪い目で此方を見ないで!】
最後には何時も決まった言葉。
【あんたなんか死ねば良いのに。】
一人残されて泣く子供。
目を開けば、其処には何時もの俺の部屋の天井があった。
「何や、夢か。」
古い昔の夢。
すると、ピンポーンとチャイムが鳴る。
はーい、と云いながら扉を開く。
扉の前に居たのはどう見ても機嫌の悪そうな治と中也だった。
「おはよう、二人共。どうしたん?」
「どうしたんだい、A。酷い顔だけど。」
俺の言葉を無視して、治が云う。
「嗚呼、ちょっと厭な夢を見てな。汗流してくるからちょっと待っといて。」
そう云って扉を閉めろうとすると治に止められる。
「ちょっと。客人を中に入れないつもり?」
うっわ、面倒くさ。
「治を家には入れたくないけど中也も一緒なら良えで。」
なんでなのさっ!と云う治を他所に、中也を家へと招き入れる。
「彼処の冷蔵庫に飲み物あるから、適当に選んで飲んでてええよ。あ、其処の棚には紅茶とか珈琲とかあるで。」
治はひらりと部屋に入り、自分の家です感を出しながら勝手に寛ぐ。
何勝手に寛いどんねん。
「彼処の棚にはお菓子あるから。」
「ねえA。蟹缶ある?」
「いつ来ても良いように其処の棚に買い溜めしとる。そんなには食わんといてな。買いに行くの面倒やから。」
其れを聞くと治は中也に、蟹缶取ってと云う。
勿論中也は取ってくれず、治は中也に怒られた。
「物が壊れるような喧嘩はせんといてな。んじゃ、ごゆっくり。」
そう云い残し、風呂場へと向かう。
「ははっ、此れは此れは。本当に酷い顔や。」
風呂場にあった鏡で自分の顔を見る。
酷く血の気の引いた、蒼い顔。
その蒼い顔を消すように俺は湯を鏡に当てる。
そして湯を頭から被る。
先程の悪い夢、悪夢、暗く古い過去の話を湯と共に流すように。

*20→←あああああああああ(狂い)



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ゆき(プロフ) - 作者ですっ!微妙に題名?この作品の名前変えます! (2021年9月11日 23時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年8月16日 12時

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