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『はあっ、っはあ、っ……』
違う、そんな筈はない
アイツは僕が殺したんだ
でももし生きてたら……?
ありえない、確認したし、僕の異能からは逃れられない
わからない、怖い、嫌だ
僕は旅館の裏の林まで来た
ここまで来れば誰にも迷惑をかけない
アイツも、そんな簡単には追ってこれない筈
『っ、はあ、はぁ、はぁ…‥っげほ、はぁ……。なんで……』
木にもたれ掛かって息を整える
ありえない、ありえない筈なんだ
だってアイツは僕の異能が発現した時に巻き込まれて死んだし、僕が刺して死んでる事も確認した
「ああ、一度は死んだ」
アイツの声がする
目の前にアイツがいた
「だが生き返ったのだ!我らを殺したお前への復讐で!実験を終わらせていないと言う未練で!」
『っは、まだ実験とか言ってんのかよ。お前らがする実験も、実験体も存在しねぇよ』
強い口調で言う
強がりだった
怖くて、怖くて、体が震えて、強がって、自分に言い聞かせないと昔のように従ってしまいそうで
「ああ、実験は無くなった。だが!」
腕に違和感がした
見ると腕に透明なチューブと針が刺さっていた
『なっ……』
「過去の実験体がここにはいる!お前は実験体の中でも頑丈で、従順だった。さあ、もう一度従え、実験体となるのだ」
いや、だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ!
またあそこに戻る?絶対嫌だ
必死にチューブを抜こうとするが、何故か触れない
かくなる手段は
『っ……!』
僕は懐からナイフを取り出し、腕に突き刺した
異能が効いたのだろう、痛くはない
腕に刺さっている針を抉り出そうとする
抉っても抉っても出てくるのは血と肉のみ
邪魔だ、針が見えない
段々と手が震えてきて、呼吸が苦しくなる
ハッとしてチューブを見ると、得体の知れない液体がチューブを通って僕の体内に入ってきていた
いつから入っていたのかわからない
『うっ、ぐ、ゲホ、うえぇ、ゲホ』
気分が悪くなって吐く
毒かもしれない
これ以上摂取したら危ない可能性だってある
かくなる上は
『っ、うあああっ!』
僕は今できる最大の力で腕を切り落とした
—————————
更新遅れてすみません!
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黒蜜おもち - 続き、楽しみにしています。頑張ってください! (1月13日 18時) (レス) id: 536ced7b0d (このIDを非表示/違反報告)
コロッk - 最後の人誰⁉もう気になりすぎます‼続き楽しみにしてます✨ (10月9日 23時) (レス) id: da276811c6 (このIDを非表示/違反報告)
ガザニア(プロフ) - 玲愛さんナツメグティー嫌な予感しかないです…うちのクラスにもこう言う子がいてなんか私ターゲットなってるのでこの話見てるとスッキリします(?) (10月8日 16時) (レス) @page33 id: 3f25d5875e (このIDを非表示/違反報告)
レベ - まさか、玲愛さん、致死量のナツメグ入れてたりしないよね………? (10月7日 13時) (レス) @page32 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
寝子/猫 - ナツメグティー、、、嫌な予感しかしない、、、 (10月7日 4時) (レス) @page32 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2022年6月24日 0時