愛情を貰え過ぎた少女と愛情を貰えなかった少女【文スト】

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「ふふふ。そんな事ないですよ」




相変わらず麗奈はみんなと楽しそうにお喋りをしている




何が楽しいんでしょうかね




資料を作り、国木田さんに確認を貰いに行こうと移動する




移動中、ふと会話が聞こえた




事務員「えー、本当？」




「はい！昔のAは本当に可愛くて……！あ、写真見ますか？ありますよ！」




理性が保てなかった




気付けば私は麗奈の胸倉を掴んでいた




太宰「麗奈ちゃん！」




目の端で太宰さんが驚いて立ち上がっているのが見えた




それでも構わず私は麗奈の胸倉を掴み続ける




『麗奈。私がそうやって勝手に自分の事を知られるの、大っ嫌いだって知ってるよね？』




「だ、だって……！」




『みんなが知りたがったから？』




「うん……」




莫迦莫迦しい




いつの間にか来た社長に私は麗奈から剥がされた




胸倉を掴んだ時に少し首が締まっていたのか




ケホケホと咳き込む麗奈に心配をする者




私を軽蔑や怒り、怯えた目で見る者




私をちらちらと見ては、ヒソヒソと喋る者





大方、そこまでする？とかそう云う類の事を云って居るのでしょうね




国木田「貴様！」




国木田さんが怒りの形相で此方を睨んでくる




わあ怖い




社長「A。此方へ来い」




社長室を開けながら云う




事の発端を話せと云う事でしょうか




面倒臭い




『……判りました』




面倒臭いですが、相手は社長




従いましょうかね




『……唯一の双子の妹が嫌がる事を、麗奈はするんだね』




そう云い残して、私は社長室に入って行った




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




社長「何故あの様な事をした」




社長の顔は見えませんが、空気からして怒っている様ですね




『麗奈が私の1番嫌いな事をしたので』




社長「っ、何故あれ程までする必要があった！」




空気がビリビリと震える




『社長。貴方は過去に1度も、理性より先に躯が動くという事はありませんでしたか？』




そう云うと社長の言葉が詰まった




嗚呼、これはありますね




社長「……お前は、」




『退職ですか？良いですよ。麗奈にも過酷な与謝野さんの治療を受けて貰いましょう』




被せて云う




社長「……1週間の謹慎をしろ」




『判りました』




退職じゃ無かったか……

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