第六話 ページ9
「初めまして瑠璃川です」
「あ゛ぁ?」
不良っぽい人に凄くガンをとばされた。
「あの、TRPG…」
「この人は雷堂メラ先輩ですよ、ところで瑠璃川先輩はYSPってなにか知っていますか?」
YSP…?何かの頭文字なのか?見えない霊的な…
「Y…妖怪、Pはパワー?」
先程まで恐い顔をしていた雷堂さんが驚きの表情をしているということは…
「YSP…Yokai Master Power!」
「ズコー!」
なぜだかそろって古典的な反応をされた。
「いやSはッ?」
「マスターのス」
小間サン太夫君の説明によると、
「YSPというのはYokai Special power霊的な存在と関わることのできる能力のことなんです。」
「へ〜、それってどんな感じなの?」
「なんだなんだ?俺も混ぜてくれよ!」
突然玉田くんと僕の間に割り込んできた彼は寺刃というらしい。
「怨霊がどんな感じか?例えばこいつはバケーラ!」
寺刃くんが指を指したが、
「いやごめん見えないんだよね」
「ならこんな感じだな!」
彼は黒板にマフラーを巻いた兎?を描いた。
「兎?」
「違う、猫!」
この可愛らしい絵はイメージとは違うが、兎か猫かも判別不可能なのでなんともいえない。
「瑠璃川先輩の近くにいる怨霊は水色でこんな感じですよ」
玉田くんがそう言って示した紙には六角形の謎生物がいた。
「本人が描いたみたいでとっても似てますよ」
その絵が消えると
『本 下 潰れて 助けてくれ ありがと』
と片言で文字が現れた。
先程の難波さんの本がまるで生きてるようだったのはこのせいかと合点がいった。
「いやいやたまたまだし、ところで君の名前は?」
『ベ ゼ ツォ ル』
1.5…正体が分かったな。
「よろしくね〜ツォールくんって呼んでいい?」
今度は紙に赤色で花丸が描かれたので許されたようだ。
「…馬鹿な…!!汝は異世界を彷徨うウァ・ナトゥフォーマルハウトか!?」
難波さんが急にそう叫んだ。
「如何なる対象をも支配し狭間に君臨する”ウロボロス”の使い手である僕を童顔ゆえに愚弄せし者がいるとはな…汝が言の葉の旋律を狂わすのは僕が不明真実と知っての事か?――そして我は汝と同じ世界線の者だ。」
「なんて?」
寺刃くんが聞いてきたが僕にもよく分からない。『その童顔で先輩なんですかw』と言われたので同じクラスだと言っただけである。
でも彼女を無視した僕も悪かったのだろう。
「ジェノバ・プロジェクトの阻害をしたこの罪は我が魂を以て償おう、さぁ精霊の時魔法を施行し架空世界の戯れを始めようか?」
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