処刑とドッペルゲンガー3 ページ45
異端者のフォーク……そんな名称の物にそれはよく似ていた。本来なら異端審問にて多用された昔の道具だが一体何があったのだろうか。
フォークのような物が彼女の下顎と胸に刺さるか否か……刺さってしまわないよう、彼女はずっと上を向いている。
そのため、一切の発言が不可能とされているものの、首の軋む音が彼女の苦しみを代弁するに充分となっていた。ボタンの目からも、奇妙な色の涙が落ちている。
更にその手は赤い糸で吊られており、まるで十字架にかけられたような姿勢にされていた。その姿に彼らは一瞬ひるむも、すぐに冷静さを取り戻す。
吊るす糸は上を辿ってよく見ても、どこまで続いているのか全く分からない程長く、どうしようもなさそうだ。
「待って、今外して……これってどう外せばいいの？」
「……」
慌ててそれを外してやろうと、トウマが首輪に手をかけるも、それに普通の首輪のような継ぎ目もなく、外し方など全く分からない。
彼女も彼女で、何事かを伝えようと口を動かしているようだが、フォークが突き刺さるためにどうしても下顎と胸にヒビが入り、結局諦めてしまう。
そうこうする内に彼女はまるで他の妖怪が力尽きた時と同じように、光となって消えてしまう……その直前、彼女は突然動きだした。
吊られていた手を無理矢理動かし、顎と胸に刺さりかけていたあのフォークを力ずくでもぎ取り彼らの元へ投げたのだ。所謂火事場の馬鹿力に似たものだろう。
幸か不幸か、投げられたそれはケースケの足元におもいっきり刺さった。あと少し先ならば、ケースケの足に刺さっていたように見える。
「モ、モケ！？って危なっ！何これ！？」
「な、ナツメ、もう一度呼び出せないか？」
「待って……アークにヒビが！？」
ナツメが持っていたアークは彼女が消えると同時に砕けるような音をたて、あと少しで真っ二つに割れかけている。
これを再びエルダに入れたら、壊れてしまうのではないか？そんな不安がよぎり、ナツメは召喚に戸惑ってしまう。
突然飛んできたフォークに怯え震えまくるケースケの代わりにアキノリがそれを拾い、それを凝視してみると。
「んー……なんか彫られてる？……プロ……何だこりゃ？」
……Proditorだが、この場にこれを解読できる者はいないだろう。ラテン語である。
アキノリがおもむろにそれを裏返すと、これまた何かが彫られているが、やはり読めず首をかしげた。
「きゅ……何？」
……Quod non patiturである。
続く
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小鳥遊(プロフ) - ピカヒカリさん» いえいえ！教えてくれてありがとうございます！ (2019年4月1日 18時) (
レス) id: f22be8bb72 (このIDを非表示/違反報告)
ピカヒカリ(プロフ) - 小鳥遊さん» 何か…。がっかりさせてしまったようで申し訳ありません…。 (2019年4月1日 18時) (レス) id: f74e3a9ead (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - ピカヒカリさん» コメントありがとうございます！メダルウォーズって引き継ぎないんですね…頑張ります。 (2019年4月1日 18時) (レス) id: f22be8bb72 (このIDを非表示/違反報告)
ピカヒカリ(プロフ) - こんにちは？です。はい、パックン出てうれしかったです。はい。（何かすみません…）バニートラップ、カッコよくて私も好きですよ。（シャドウサイドの中では上位です）やっていませんが、メダルウォーズの先行は確かデータ引継ぎありませんでしたよ。頑張って下さい。 (2019年4月1日 18時) (レス) id: f74e3a9ead (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - ありがとうございます！そう言って頂けると頑張れそうです…！ (2019年3月6日 23時) (レス) id: f22be8bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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