１４７話目 ページ15
「……ふあぁ…あれ、ここは？私…。」
何だか慣れない、ふんわりとした感触と心地よい温もりを感じてゆっくりと体を起こすとそこは豪華絢爛がふさわしい作りの部屋だった。
そんな中で私は一人用とは思えない広さのベッドに寝かされていたらしい。服はいつかどこかで見た、白装束になっていた。洋風の中じゃ異様だ。
確か、合宿で……敵に捕らえられて、それから何故か放り出されて、いつの間にか救急とか消防が来て…えっと、それで、それで？
あれ…まただ。それからが何も思い出せない。ここはどこ？ガブニャン達は？緑谷達は？一体何があったの？……頭痛はしないけど、不快感が残る。
「だ、誰かいませんか…？」
ひとまずベッドから降りて部屋から出てみよう。ベッド以外にもこれまた豪華な家具があるけど、今は触る気にもならない。
何故かこっそりと音をたてないように扉を開けて周囲を見渡すと、奥が見えない程長い部屋とよく似た雰囲気の廊下が続いていた。
私が声を出しても返事などない。何も聞こえないし、誰もいる気配すらない。廊下には私が開けた扉と同じ物がいくつもあって、ホテルみたいに見える。
でもホテルじゃないよね…ちょっと歩いてみよう。きっとこんな所に寝かせたってことは少なくとも悪意がある訳じゃないと思う。
裸足でも床は絨毯だから痛くない。前は平原だったなあ…。
不気味な程無音な廊下を歩いていると…
「よお。久しぶりだな？」
「うわっ！？…え、久しぶり？…あの、どこかでお会いしましたっけ？」
突如横から話しかけられてそちらへ顔を向けると、身長はあまり変わらない金髪の少年が立っていた。音も無かった筈なのに一体どこから…？
「あー……まあ、この姿じゃ無理もねえな。俺とは昔夏祭りで出会ってるぞ」
「夏祭り？…もしかしてE？」
「そうそれ！覚えてくれてて何よりだ」
夏祭りで変な人に会った記憶はそれしかないから…それでも覚えている姿と結構違う気がするんだけど。少なくとも金髪ではなかった。
「えっと、色々聞きたいんですけど…」
「そりゃそうだよな。いいぜ、答えてやる」
こんなに上から目線だったかなこの人…人？現在地からして妖怪？
「ここはどこですか？私は何故ここに？」
「ここは有り体に言えば宮殿だな。何故ここにってのは「大王様！」やべっ、見つかった」
今大王様って聞こえたんだけど何？一体何なの？
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小鳥遊(プロフ) - 美都羽さん» コメントありがとうございます！烏滸がましくなんてないですよ。嬉しいです！ (2019年8月6日 21時) (
レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
美都羽(プロフ) - 小鳥遊様のこのシリーズがすごく好きです。こんなことを言うのも烏滸がましいですがこれからも頑張ってください (2019年8月6日 21時) (レス) id: a619d2c6e4 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - 笹さん» レス遅れてすみません。確かに火なら水属性の方が良かったかもしれません。書いた時は気がつきませんでした…遅れながらアドバイスありがとうございます。 (2019年8月5日 1時) (レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - 甘納豆さん» コメントありがとうございます！ずっと更新停止ですみません……そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月3日 21時) (レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 続き気になります！自分のペースで更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2019年8月3日 21時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
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