54振り ページ7
「いいか、お前は私が命令したとき以外一切喋るな」
『はい、旦那様』
スッと父が襖を開けると見知った顔が二人いた
「いやぁ…お待たせしてすみませんでした────轟さん」
父はヘコヘコして目の前にいる厳つい男性にそう言った
自分はその男性を見て驚いた
その人はナンバー2ヒーローエンデヴァーだった
けど、なんでナンバー2ヒーローがここに？
エンデヴァーの隣を見るとあの縁起良い髪色をした人がいた
確か、名前は轟焦凍だったか……？
体育祭で2位を取っていた生徒だ
訳がわからずその場に固まっていると父に横に座れと命じられる
「轟さんこちらが私の娘でございます」
父がそう紹介し自分は神月家にふさわしい振る舞いをした
『神月家
一礼し顔を上げるとエンデヴァーが自分の顔をまじまじと見ていた
「その頬にあるものは体育祭での怪我か？」
エンデヴァーが気になっていたのは自分の頬にある大きな絆創膏のことだった
『はい、お恥ずかしながら体育祭の時に残ってしまったものです。後日リカバリーガールに治癒して頂くのでご心配なく』
怪我した頬を抑えてそう言ったがそれはまるっきり嘘だった
体育祭の怪我は既に治癒してもらっているのでもう無い
今ある頬の怪我は父が自分に罰を与えた時に出来た傷だ
父は横目で自分を見たあと、ナンバー2ヒーローに対して本題を切り出してきた
「それで、なぜ先日泉では無く姉の方に会いたいとおっしゃったのでしょうか…？」
「焦凍の許嫁を貴殿の長女にしたいのだ」
「『え？！』」
その言葉に父も自分も驚愕した
「ま、待ってくださいよ………焦凍くんの許嫁はうちの泉じゃ駄目なのですか……？？」
「先日の雄英体育祭を見させてもらったが妹よりも姉の方が個性が優秀だと見受けられた。姉の方が将来的に良い個性を持つ仔が産まれるだろう」
自分はエンデヴァーの言葉に声が出なかった
なんだ……それ……
まるで…泉や自分の子供を道具でしか見ていないじゃないか……
いや、それは父も一緒か……
父を見るとあたふたしている状態だった
泉が許嫁だった筈なのに自分に変更されるのは父にとって一番困るのだろう
自分はあたふたする父に助け舟を出した
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アカヤ - 続編やったー！ありがとうございます！これからも応援してます！！ (2019年4月3日 17時) (
レス) id: ba5e1e3f04 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 続編おめでとうございます！主人公さんがどうなるか、今からとても楽しみです。また遊びに来させて頂きます。 (2019年4月2日 21時) (レス) id: 680cc78f50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪燐 | 作成日時：2019年3月22日 8時
