67振り【過去】 ページ20
すやすやと穏やかな表情で母の膝の上で眠る二人の娘
その寝顔を愛おしそうに母は見ていた
「遊び疲れてすっかり寝てしまわれましたね」
「えぇ…そうですね」
母は娘達の頭を優しく撫でた
「ずっとこうして…二人の頭を撫でていられたらいいのですけどね……」
そう言う母の目には哀しげな表情が写っていた
「あの日まで……あと一ヶ月ですか……」
「えぇ……覚悟はしていましたが……もうそんな近くに迫っているのですね…」
母が顔を上げるとそこには月が空に登ろうとしている姿が見えた
「主さま」
小狐丸が母の手をそっと握る
「今からでも遅くはありませぬ。この小狐丸と共に逃げましょう！」
握った手を強く握り締め真っ直ぐな目で小狐丸は言った
だが、そんな小狐丸に対し母は首を横に振る
「逃げることはできませんと前にも言ったはずですよ。この家の権力は政治家にもヒーローにも及んでいます
力が無い私にはどうすることも出来ません……」
「そんなものこの小狐丸が────！」
「それに……愛する我が娘達に苦労をかけたくはありません。ここにいれば少なくとも娘達は安心して暮らしていけるでしょう」
穏やかな表情で眠る娘達を見て母は言った
「その為にも私は負けるわけには行きませんわね……」
「えぇ、この小狐丸最期まで主さまにお使え致します」
「お願いしますね。小狐丸」
母と小狐丸の密かな約束は娘達の穏やかな寝息と共に結ばれた
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アカヤ - 続編やったー！ありがとうございます！これからも応援してます！！ (2019年4月3日 17時) (
レス) id: ba5e1e3f04 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 続編おめでとうございます！主人公さんがどうなるか、今からとても楽しみです。また遊びに来させて頂きます。 (2019年4月2日 21時) (レス) id: 680cc78f50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪燐 | 作成日時：2019年3月22日 8時
