49振り ページ1
ぴちょん……ぴちょん……と水滴が垂れる音が響く
湿った臭いが鼻をくすぐる
目を開けるとそこは真っ暗闇だった
身体を動かそうとするが、上手く動かない
全身が痛くて動かせなかった
無理にでも動かそうとすると悲鳴が上がる
ミシミシと骨が響き、皮膚から温かい何かが垂れる感触がした
どうして自分がこんなことになっているのか
頭が朦朧として考えられなかった
身体を動かせず、ただ横になったまま一点だけを見つめていた
暫くすると誰かが此方に来る足音がした
足音は段々と近づいてくる
それと共に明かりもこちらにやって来た
カチャンと扉が開く音がした
明かりは暗闇に慣れていた自分には毒で目を細めた
やがて、目が慣れた頃誰が来たのか分かった
「A……大丈夫…？」
「全く……随分と酷くやられましたね……」
『………さ…よ…そう……ざ…』
小夜左文字と宗三左文字だった
2振りが持っている蝋燭でここが何処か分かった
屋敷にある座敷牢の中だ
罰を受けた自分はここに放り込まれたんだ
2振りは持っていた蝋燭を床に置くと自分を起こしてくれた
『ッ………！！』
起こすのと一緒に痛みも味わう
「大丈夫？」
『これ………ぐらい………平…気だ』
壁によりかかりながらそう言った
蝋燭の明るさにも慣れて来た頃
自分の姿を見ると痛々しいさまだった
身体中に痣が点々とあり、ミミズ腫れが全身に走っていた
幸い骨は折れていなかったからそれだけは良いとしておこう
2振りは自分の為に微温いタオルと救急箱を持ってきてくれた
小夜が持ってきたタオルを使って自分の身体を丁寧に拭く
傷に響かないように優しく拭いてくれた
「A……ここ血が出てる」
小夜が指したところを見ると膝から血が溢れていた
「兄様」
「えぇ、分かっていますよ。A少し痛みますが我慢してくださいね」
宗三が怪我したところを治療する
消毒液が身にしみる
『宗三………何日た……った……？』
「1日ですよ。今日は学校がお休みの日です」
『そう…か……』
「それよりも大人しくしててください。全くこんなに傷だらけになって……」
宗三はそう小言を言いながら自分の身体に包帯を巻いていく
その途中で包帯が切れてしまった
「お小夜、悪いのですが予備の物を持ってきてくれますか？」
「うん、分かった」
そう言って小夜は包帯を取りに行った
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アカヤ - 続編やったー！ありがとうございます！これからも応援してます！！ (2019年4月3日 17時) (
レス) id: ba5e1e3f04 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 続編おめでとうございます！主人公さんがどうなるか、今からとても楽しみです。また遊びに来させて頂きます。 (2019年4月2日 21時) (レス) id: 680cc78f50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪燐 | 作成日時：2019年3月22日 8時
