或る女の怪忌憚【呪術廻戦】 (ページ7)

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或る女の散歩ページ7

東京はいつも通りの喧騒に包まれる

人々がはしゃぐ中、私は一人町中を歩いていた

時々ふらっと店に立ち寄り品物を見ては別の店へまた向かう

そんなウインドウショッピングを楽しんでいるとある人影が見えた

見覚えのあるその姿に嫌な予感を感じ人混みに紛れ、逃げようと試みるがそうは行かなかった

「……A」

後ろから名前を呼ばれ腕を掴まれた

ゆっくりと振り向くと見覚えのある懐かしい顔

腕を掴むその人の名を私はぽつりと呟いた

『悟……』

五条悟

こんなところで出会うなんて偶然だろうか

いや、悟のことだ

容易く私のことなど見つけられるだろう

悟は私の腕を掴んだまま何も言わずただ私を見つめていた

振り解こうとすると逃さまいと悟は強く握る

「なんで逃げようとするの？」

名前を呼んだ次に行った言葉がそれか

『痛いから離して欲しいのだけど』

「それは無理、離したら逃げるでしょ？」

どうやら悟は何がなんでも私を逃したくないらしい

術式で逃げれたら楽だが人通りが多い中そんなことはできない

私の術式を分かっていて悟は私をこんな場所で捕まえているのだろう

『…分かったここにいるのも何だから別の場所へ移動しよう。それでいいでしょ』

これ以上は埒が明かないと判断し提案を持ちかけた

悟は「じゃあこっち」と言って私を引っ張りズカズカと何処かへ歩き出した