或る女の怪忌憚【呪術廻戦】 (ページ15)

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或る女達の飲み会ページ15

『やっほー硝子お待たせー！』

学長との話を終えた夜、硝子と待ち合わせた飲み屋に行くと既に硝子は店内におり、先にビールを飲んでいた

硝子の目の前に座り、適当にビールとつまみを頼むとプハーッっと一服吸った

『あれ？硝子煙草やめたの？』

「まあな」

『ちぇーっ、硝子と一緒に吸えると思ったのにー！』

せっかく硝子と同じになれたのにな…

そう思いながら煙管を咥えると頼んだビールとつまみが届いた

酒とつまみを楽しみながらお互いそれぞれの出来事を話して行った

酔いが回り始めた頃、硝子が昼に話したことを聞いてきた

「で？わざわざ悟に見つかってまで東京でやり残したことってなんだ？」

そう聞かれて私は『うーん…』と言葉を濁した

『いやね…もう、時間がね無いの……』

「……蟲神か？」

『うん、すぐってわけじゃないけど……来年か早くて半年…私の中にある蟲神様が目覚める

この世に悔いが残らないように生きてきたつもりだけど最後に高専の皆のことが気になってね。最期に様子でも見ようと思って……

それに悟のことも気になってたからさ……』

硝子は玉蟲家以外で蟲神様の存在を知る数少ない人

硝子の他に蟲神様について知るのは夜餓学長と悟と既にこの世にいないがもう一人の同級生だけだ

けれど、その中で私が死ぬことを話しているのは硝子だけ

だからこそこんな話ができるのだ

クイッと酒を一口飲む

『ねぇ硝子。悟って今どんな感じ？』

「彼奴なら今高専で教鞭取ってるよ」

教鞭と聞いて思わず笑いが溢れる

『アッハハハハ！それマジ？あの俺様最強五条悟が教師になってるの？！』

意外な悟の今に笑いが止まらない

『そっか…あの悟がねー…… 』

「意外だろ？」

『意外過ぎて腹が捩れそうだよ』

暫く悟の話題で盛り上がり飲み始めてから2時間経った頃

いよいよ酔いが本格的に回ってきた

硝子は強いのかまだシラフの顔だった

私は半分酔っぱらいながら尋ねる

『ねぇ硝子』

「なんだ？」

『悟は今幸せなのかなぁ……』

机にうつ伏し、グラスの中にある溶けかけた氷を眺める

硝子はビールを飲みながら答えた

「さぁな？私が見ている限り…

楽しそうにしているよ」

悟が幸せ

『そっか…それは良かった……』

『悟には10年前に酷いこと…しちゃったから…ずっと気になってたの…だから……悟がしあわせ…でよか…った…』

そこからの記憶を私は覚えていない