20話 ページ22
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久し振りにAに会った
基奴は昔に比べてよく笑っていた
奴が云うには異能を取り戻しつつあるからだと云う
奴は今まで取り戻した異能を赤裸々に話していた
猿の腕、蛇神、最近は猫を取り戻したらしい
俺は奴に「今はどうしているのか?」と聞いた
するととんでもない答えが返ってきた
太宰に監 禁されている
そう奴は云った
最初は冗談かと思ったが本当らしい
なら、逃げ出してきたのかと聞くと奴は違うと云った
監 禁場所が快適だから暫くは居座ると云う
昔から変な奴だったが、更に増していた
奴の話を聞きながら酒を一杯煽った
あの青鯖のことだ。Aをこのままにしておく筈が無い
下手すりゃAに危険が及ぶ
太宰から突き放す算段を考えていたとき、思いついた
「なぁ……俺のところ来ねぇか?」
酒が回って来ているせいか柄にもないことを云った
奴に断られると思ったが、Aは俺が発した言葉が意外だったのか目を丸くさせている
酒の勢いもあってか俺はこれを好機と思いAを説得した
Aは少し考えたあと、首を縦に振った
奴の返答に内心喜んでいたのもつかの間、
やりたいことがあるからまた明日逢おうと云われた
太宰のところに戻るのかよ……
ふと太宰とAが一緒にいるところが目に浮かんだ
胸糞悪い………
そんな俺の気も知らず、Aは会計を済ませ店から出ようとする
離したくねぇ……
そう思った俺はAを呼んで引き留めた
奴が振り返ったときに唇に目が行った
桃色の柔らかそうな唇
それを見た途端、その唇に触れたい衝動に駆られた
この際酒のせいにしてしまえ────
俺は空いた手でAの後頭部を掴みそのまま唇に
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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時