* ページ47
「まぁまぁ、遠慮せずに食べなさいよ。」
「…なにこれ?」
「旦那、すまねぇ。全部バレちゃいやした」
「イヤイヤそうじゃなくてね、なにこれ?マヨネーズに恨みでもあんの?」
「カツ丼土方スペシャルだ。」
『ちなみにご飯の上にもたっぷりマヨネーズかかってますよ。』
「こんなスペシャル誰も必要としてねーんだよ。
おい姉ちゃん、チョコレートパフェひとつ!」
次の日、ファミレスにて目の前に置かれたマヨネーズたっぷりの丼を見て銀時はちょっと引いており、隣でお茶を飲んでいるえりはいつも通りだなぁと眺めていた。
銀時に毒づいた土方は沖田に同意を求めるも犬の餌と表現されていた。
「つーかこの子は食べてないけどいいの?」
『私はお茶さえ飲んでれば大丈夫なので。』
「つーかそもそもえりに犬の餌進めてたら今すぐにでもパワハラで土方さんを訴えてるところでしたぜ」
「なんでだよ」
「むかつくんで」
「おい」
『土方さん、私は気にしてないから大丈夫ですよ。』
「……何だこれ?奢ってやったのにこの敗北感……
……まぁいい、本筋の話をしよう。」
土方はタバコをひと吸いすると、銀時を見て口を開いた。
「…テメー、総悟にいろいろ吹き込まれたそうだが、アレ、全部忘れてくれ。」
「んだおい、都合のいい話だな。
その感じじゃテメーもあそこで何が行われてるか知ってんじゃねーの?」
『……』
「えりは知ってるみてーだぜ。
大層な役人さんだよ。目の前で犯罪が起きてるってのに知らんぷりたァ」
「いずれ真選組が潰すさ。
だが、まだ早ェ。腐った実は時が経てば自ら地に落ちるもんだ。
…てゆーかおめー、土方スペシャルに鼻くそ入れたろ謝れコノヤロー。」
土方は自身の土方スペシャルをかき込みつつ、話を続けた。
「大体、テメーら小物が数人歯向かったところでどうこうなる連中じゃねぇ。下手すりゃウチも潰されかねねーんだよ。」
「土方さん、あんたひょっとしてもう全部掴んで……」
「……近藤さんには言うなよ。あの人に知れたらなりふり構わず無茶しかねねぇ」
『……はい。』
「天導衆って奴ら知ってるか?将軍を傀儡にし、この国をテメー勝手に作り替えてる。この国の実権を事実上握ってる連中だ。
あの趣味の悪い競技場は、その天導衆の遊び場なんだよ。」
『…銀時さん、最初にも言いましたが、この件は本当に忘れてください。
一般人が、天導衆なんて知っていいようなこと、ないんです。』
15人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Tyina | 作成日時:2022年5月29日 23時