池田屋篇ー ページ3
ドカァァァァン!!!!
そんな音と共に戌威星の大使館が爆破された。
その様子を松田えりは建物の屋根の上から見つめていた。
『…主犯はあの3名…そして…』
屋根から滑るようにしており、沖田総悟、土方十四郎がいる部屋に窓から滑り込んだ。
「とうとう尻尾だしやがった。山崎、なんとしても奴らの拠点抑えてこい。」
「はいよっ。」
『よろしくね。山崎さん。』
「えり、見てたか?」
『はい、爆弾を投げ入れたのは2名の男性と1人の少女、そして逃亡に合流したと思わしき桂です。』
えりは土方にそう報告し、後ろにいる沖田に近ずいた。
『総悟、そろそろ起きた方が…』
「天人との戦でかつて活躍した英雄も天人様様の今の世の中じゃただの反乱分子か。
このご時世に天人追い払おうなんざ、
大した夢想家だよ。」
そう言ってぐしゃぐしゃに丸めた桂の指名手配書を寝ている沖田に投げつけた。
えりは沖田に当たった指名手配書をそのままゴミ箱に捨て、髪紐を取りだし動きやすいようにひとつにまとめていた。
「オイ、総悟起きろ。
お前、よくあの爆音の中寝てられるな。」
「爆音って……またテロ防げなかったんですかィ?
何やってんでィ、土方さん。真面目に働けよ。えりを見習ってくだせ。」
「もう1回眠るかコラ。お前こそえりを見習え。」
『総悟、今回テロを防げなかったのは私の落ち度でもあるから…それに土方さんは十分真面目だよ。私も見習わないと。』
「つい三日前、今年入って10件目の攘夷派を取り締まったえりが何言ってんだィ。えりは十分やってるでさァ。ちょっとは働けよ。土方。」
「マジでもう1回眠るか?」
髪をまとめ終わったえりが沖田に近くにかけていた制服を渡すと、あくびをしながらえりから受け取った。
「天人の館がいくらブっ飛ぼうが知ったこっちゃねェよ。連中泳がして雁首揃った所をまとめて叩き斬ってやる。
真選組の晴れ舞台だぜ。楽しい喧嘩になりそうだ。」
土方のその言葉を背景にえりはテロを起こしたであろう人物達が走っていった方向を窓から静かに眺めていた。
「えり、いくぞ。」
『はい。』
えりは沖田、土方とともに部屋から出て1階にいる隊員たちと合流した。
「副長!!沖田隊長!!松田隊長!!山崎が奴らの居場所を突き止めたと!!」
「ご苦労、山崎。お前ら、いくぞ。」
「「「「はい!!!!!」」」」」
土方、沖田、えりが先人をきり、ホテル池田屋に向かった。
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作者名:Tyina | 作成日時:2022年5月29日 23時