安倍晴明の血を引き継ぐ者 2

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「開始1分前でーす。ではここで庵歌姫先生にありがたーい激励のお言葉を頂きまーす。」
「はぁ!?…え、えーっと、あー…ある程度の怪我は仕方ないですが……んー…その…時々は、助け合い的なアレが…」
『(歌姫先生、頑張って。)』

突然の五条の無茶ぶりに狼狽えながらも激励の言葉を話す歌姫にAはこっそりエールを送っていた。

「時間でーす。」
「ちょっと!!五条!!!!アンタねぇぇぇ!!!!」
「それでは姉妹校交流会、
スタァァァァァァァト!!!!!!!!!!」
「先輩を敬え!!」

「悟。」
「はーい。」

耀哉が咎めるように名前を呼ぶと大人しく返事を返し、モニターを見ていた。
歌姫は五条にギリギリと嫌悪を向けていたが、モニターの方を向いた。

「ｷｭｳﾝ」
「わ、わっ!?」
『九尾!なんで…』
「ｷｭｳ、ｷｭｷｭ。」

ミニサイズのぬいぐるみのようになった九尾が突然出てくると、Aの膝の上に座った。

「おや、九尾じゃないか。久々に見たね。」
「珍しいね。九尾が自ら出てくるなんて、」

九尾は警戒しているようにしっぽをゆらゆらとさせていた。

その時、ちょうど東京校メンバーと東堂が衝突し、虎杖が1体1で東堂と戦い始めたところだった。

「うわぁ…」
「ヒュー、やるねぇ。悠仁。」
「でも、東堂にはきかないんじゃないかな?」

東堂が衝突したのをきっかけに、真希と伏黒、パンダと狗巻と釘崎に別れ走っていった。

それに対し、京都校はひと塊で行動し、団体で虎杖に攻撃をしていた。

「(やはり京都校は悠仁を殺す目的みたいだね。でも、耀哉様はそれに黙ってないはずだ…)」
「楽巌寺学長殿、」
「!!」
「私は悠仁を認めている。」

穏やかに言ったその一言は保守派の楽巌寺にとってはとても恐ろしい一言にもなっていた。

「悠仁は保守派にとっては恐ろしく、すぐさま祓わなければいけない存在かもしれない。
けど、ちゃんと彼は押さえられてる。あの宿儺を、だ。

すぐに考えを変えられないのも、その意見が正しいと思うのもその人の心があるから仕方がない。けど、少しは認めてもいいんじゃないかい?」
「……そのお言葉、深く刻ませていただきます。」

映像が途切れ、突然メインの画面が変わったことにキョトンとしたAだったが、すぐに理解していた。

『…あ、冥さんの鴉…』
「交流戦が終わったらまた触ってみるかい?」
『!、いいんですか!?』
「ｷｭｰ!!」
「けどその子が許さないみたいだね。」

冥冥に向かって威嚇をする九尾を見てそう言って笑った。

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