安倍晴明の血を引き継ぐ者 2

＊ ページ44

プルルル……

「?」
『あれ、夏油先生から……ちょっと出てくるね』
「わかった」

伏黒達から少し離れると夏油からの電話をとった。

『夏油先生、どうしました?』
「A、まずいことになった」
『!!、何かあったんですか?』
「前に交流会の時に取り込んだ真人っていう呪霊がいただろう?
そいつがとうとう口を割った。
真人たちはどうやらこちらの目を欺くために動いていたみたいなんだ。」
『!!??』
「どうやら目的は高専ではなく、安倍川家に古くから存在する呪具の倉…今は京都校近くにある呪具の倉庫だと思ってもらっていい。

そこにいくつかの呪霊の痕跡があった。どうやら相当強い呪霊だったみたいで、安倍川家の呪符が何枚も焼け焦げて、破壊されていた。
しかも何個か盗まれてしまっているみたいでね。」
『待ってください、そこは確か上層部が現在は管理してるって…』
「どうやら油断していたようだ。しかもそれを報告せずに黙ってて、あのゴリラが見に行ってその報告をしたもんだから今、紫苑様が般若を背負って乗り込もうとしていてこれから耀哉様と上層部にご挨拶に行くところなんだよ。

…盗まれたものは……九相図。しかも3つもだ。」
『あれが、ですか、!?』
「A、ないとは願いたい。だけどくれぐれも気をつけて。悠仁達にも伝えてくれ。
また何かあったらこちらから連絡をするよ。」
『…わかりました。』

Aは電話を切ると、先に車に乗り込んでいる伏黒たちの所へ走った。

『ごめんね。おまたせ。』
「実家?」
『ううん。』
「…夏油先生か?」
『そう。』
「おお、さすが伏黒」
「少なくとも任務のことではなさそうっすね。こっちに連絡来てないんで。」
「何かあったの?また呼び出し?」
『…結構まずいかもしれないって。』
「結構まずい?」

Aが先程電話で話したことを虎杖達にも話すと新田も「かなりまずいじゃないっすか」と顔色をかえた。

「その九相図……?っていうのが盗まれたら何がまずいの?」
「まずい所の話じゃねぇよ。」
「というかまだそれ授業範囲じゃないっすよね?」
『はい、習うのは確か二学期の後半って聞いてます。分かりやすく説明をすると…
今言った九相図の正式名は呪胎九相図。
特級に分類されるほどの呪物で全部で9個存在する、下手したら両面宿儺よりも厄介なもの。それが九相図。』
「はぁ?宿儺より厄介?」
「Aの言う通りだ。」
「どういうことよ?」

宿儺がすごく厄介と聞いてる2人は首を傾げた。

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