安倍晴明の血を引き継ぐ者 2

起首雷同 ページ39

「っうわぁぁあ!!」
「おせーよ。順平。」
「やっぱり去年の憂太リターンズだったな。」
「しゃけ。」

10月に入り、段々と風が冷たくなってきた頃……

吉野は編入したはいいものの、呪霊などと全く関係の無い生活を送っていたため、術式を使えたとしても体術が一切なっていない、とのことで生徒内校内一の体術使いの真希によって1から仕込まれていた。

が、やはり真希の特訓はハードなため、ついて行くのに吉野は精一杯で任務もまだまだ虎杖達とは行けない状態が続いていた。

「あの、ところで、虎杖くん達は……」
「4人とも任務。」
「またかぁ……でも、珍しいなぁ……安倍川さんも虎杖君達と同じなんて……」
「最近、Aは特級推薦のために色々な階級の任務に飛ばされてるからな。今回、同じ行動取れんのも、上に掛け合わせた五条達のおかげ。」
「へぇ…」
「隙ありすぎだぞ。順平。」
「ぅわちょ!!!!」







「6月 盛岡 神田太一
8月 横浜 島田治
9月 名古屋 大和広
3人ともおなじ状況で死んでるんスよ。

自宅マンションのエントランスで呪霊による刺殺。しかも全員死ぬ数週間前から同じ苦情を管理会社にチクってる。」

呪術高専補助監督 新田明に耳を傾けつつ、隣に座る伏黒が持つタブレットをのぞきこんでいた。

(本来ならば、釘崎が後ろだが、問答無用で伏黒の隣に座らされ、釘崎が助手席、後部座席に右からA、伏黒、虎杖の順になっている。)

「オートロックの自動ドアが開きっぱなしだって。他の住民に心当たりはなかったっす。」
「でも、日付も場所もバラバラ、同じ呪霊にやられたんですか?」
「なぁなぁ、自動ドアって呪霊のせい?呪霊ってセンサーとか引っかんの?」
「センサーじゃなくてドアオペレーターの方が呪霊の影響でバカになったみたいっス」
「ほーう……オペレーター？」

首をかしげた虎杖にAが説明の補足をした。

『正式にはスイングドアオペレーター。
開き扉を人力ではなく電気などの動力によって行う設備のことで呪霊がセンサーじゃなくて、そのオペレーターの方を狂わせたから開きっぱなしなってたんだと思う。
他の住民に心当たりがなかったのは、おそらくその呪霊に殺された人が、呪われててその呪力がその人限定で影響を与えてたんじゃないかな?』
「ほへぇ…詳しいな、安倍川…」
「なかなか鋭いっスね……さすが…」

Aが仮定としてあげた説明に虎杖と新田は感心したように目をぱちくりさせていた。

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