安倍晴明の血を引き継ぐ者 2

番外編 17 ページ37

その後……

津美紀によって夏油が呼び出され、病み上がりがいる前で騒ぐんじゃないとお叱り(60%は五条、残りの40%は美々子達)＆釘崎達からのブーイング(これも何故か五条の方が多かった)を受け、伏黒以外は1階に戻って行った。

『なんだか、懐かしいね。昔と一緒。
こうやって美々子と菜々子と恵が五条先生と言い争いして、津美紀ちゃんが夏油先生かお父様を呼びに行って…』
「……」

Aの目の前で叱られたことが、少し嫌だったのか苦虫を噛み潰したような表情をしていたが、くすくすとAは笑っていた。

『……恵、』
「なんだ?」

『……私ね、夢があるの……

恵、私、津美紀ちゃん、美々子、菜々子の5人……ううん、野薔薇ちゃんと虎杖君、吉野君に狗巻先輩、真希先輩とパンダ先輩、京都校の人達も……一緒に話して、それで五条先生達がからかいに来て……

遠くからお父様達も楽しそうに笑って……

それを恵の隣で見て変わらないって笑うの。

誰もが笑ってる、そんな未来、作れたらいいな…』

初めて語られたAの夢。

Aはそっと窓の外を見て思いを馳せるように目を細め、夜空を眺めていた。

それに少し驚いたように、目を見張ったがすぐに緩められ、Aの隣に座り、手を握った。

「……作れたら、じゃなくて、作るんだろ?
俺もあるとするならその未来がいい。というか、また1人で背負うつもりだったのか?
何度も言ってるだろ。俺を頼れ。

俺がそばにいるから。」
『!!……うん。もちろん。』

Aは伏黒に身を寄せ、夜空をしばらく眺めていた。


















「うん……うん……真衣ちゃん達もそっちで楽しめたんだね。

良かったよ。

……うん、そうだね。2人の喧嘩を未然に防げなかったのは……

…あぁ、君を責めてるわけじゃないから…寧ろ君のおかげで2人は無事高専に入れたんだからね。」

場所は変わって安倍川屋敷の広い庭で耀哉は誰かと話していた。電話先の相手と話している時、耀哉は心做しか五条達に向ける親愛の瞳と同じだった。

「…ところでそっちで逃げたいって人は……。

それじゃあ、また前回と同じように頼むよ。

……そうだね、娘たちも会いたがってるから1度顔を出しに来るといいね。

今後もそっちのことを頼んだよ。








直哉。」

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