参拾捌 ページ39
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風が吹き、綺麗に咲いている藤の花を揺らす
大きな藤の木だ
…そして、その下にあるのが母上のお墓
『…久し振りですね、母上
あっちでは元気にしてますか?』
そう問いかけるも、当たり前だが返事はない
もう、現世で声を聞くことは無いだろう
藤の匂いがする線香を焚き、しゃがむ
そして、手を合わせ、目を瞑る
______母上、私、もうすぐ其方にいくかもしれません
もしもいったら、多分抱き着くと思うので、受け止めて下さいね
そしたら、今まであった事を話し合いましょう
話したいことがいっぱいあるんです
届いているかは分からないけれど
心の中で、そう話した
そっと目を開ける
変わらない風景だ
お墓があって、藤の木があって
…何も変わらない
『父上もどうです?』
槇寿郎「…そうだな、折角来たしな」
父上が手を合わせている間に
花冠を作る
そこら辺にある花だけど、ごめんね
お供え物持ってこなかったから
『ゴホッ、ゴホッ……ッ』
花冠を作っていて手が空いていなかったので
せめてかからないように顔を背ける
槇寿郎「A!…もう帰ろう、家に帰って休んでくれ」
『ッ…駄目です、後、もう少し…』
ッ出来た
あの時渡せなかったから、供えるだけでも…ッ
『ッよし、…ゴホッ、帰り、ましょう』
天国に行ったら、手渡しで渡したいなぁ…
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やっとの思いで家に着いた
多分私には時間が無い
直感だが、明日死ぬ気がする
もう話す事さえままならない
話すことが出来ないのならば、手紙で伝えればいい
そう思い、筆を取った
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雪乃華(プロフ) - 雅さん» お読みいただきありがとうございます! (1月31日 21時) (レス) id: 793fca1557 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 目から汗ガァぁぁーーー。 (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 64932f3273 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃華(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます!読者の皆様のおかげです。 (1月3日 0時) (レス) id: 793fca1557 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 完結おめでとうございますゥゥゥゥゥゥゥゥゥ (1月2日 17時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃華(プロフ) - さたぽさん» うおぉぉ!お褒めの言葉ありがとうございます…! (2021年1月10日 3時) (レス) id: 82848314f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪乃華 | 作成日時:2020年3月31日 16時