誰も居ないはずの？ 主人公side ページ10
「ハァ……ハァ……此処まで来れば多分大丈夫だよね……」
私がたどり着いた所は何もない森の中だった。
やっぱり迷いました……
「ど、どうしよう……うぅ……」
また目から涙がこみ上げてきた。
やばい……涙が止まらないよ……
「みーつけた。」
はっとして前を見るとそこには楯山さんが拳銃を私に向けていた。
「た、楯山さん……」
「お前さぁ……こんな事して良いとでも思ってるのかよ……
お前には悪いが此処で死んでもらわないとな。家族と会った以上実験のなんの役にもたたん。」
「……そんな……死にたくない……嫌だっ！」
私は逃げ出そうとしたが足が震えて起き上がる事も出来なかった。
「じゃあな。」
バンッ！
「いっ！?……嫌だ……し、にたく……ない……」
「全部悪いのはお前だ。恨むなら自分を恨め。」
そう言って楯山さんは去って行った。
さっき楯山さんが撃った拳銃は運悪く私のお腹辺りに命中だった。
感覚が麻痺しているのだろうか？しばらくすると痛みも無くなってきて、意識が朦朧としてしまう。
「私……謝れなかったな……お姉ちゃんに……」
そんな事を考えていたら……
「あ……私の能力って……傷を治す能力？」
そうだ！能力を使えば！傷も深いだろうし全部は治らないだろうけど……少しでも伝えられるなら……！
「目を治す……」
私が能力を使うと、傷が少しずつ治ってきた。
が、もう体力の限界だった。
そして、そのまま気を失ってしまった。
何も伝えることが出来ないまま……
これは現実…？ セトside→←あの子は……メカクシ団side
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作者名：夜明 | 作成日時：2015年12月24日 19時
