【江戸川乱歩】初恋は僕の助手。【文スト】

第8話 乱歩さんと食欲。 ページ9

『･･･終わった･･････』


目の前に山積みになっている資料を見て溜息を吐く。
･･･もう、暫くパソコンは触りたくない。

時計を見ると、時刻は九時を回っていた。
社員寮に住んでいるとは云え、帰りが遅くなるのは厭だなあ。


江戸川「ふわぁあ･･･。あ、A･･･もう仕事終わった？」

『乱歩さん？･･･な、何で此処に！？』


ソファから体をゆっくり起こし、乱歩さんは目を擦った。

私が仕事をしている間、駄菓子を食べていたのは覚えているが･･･。
真逆、私が仕事を終える迄、待っていた？

･･･そんな訳ないか。


江戸川「今迄、寝ていたんだよ。･･･よく寝たなあ」


寝ていたって、夜眠れなくなりそうだけど･･･大丈夫なのかな。
流石に乱歩さんも、昼の眠気には勝てないだろうし。


ぐぅうう･･･。


そんな事を考えていると、お腹から大きな音が鳴り響いた。


江戸川「何だ、腹が減っているのか」

『わ、忘れてください！』


は、恥ずかしい･･･！
昼から何も食べていないとは云え、かなりの音量だった。


江戸川「･･･」


乱歩さんも黙ってしまったし、引かれただろうか･･･。


江戸川「よし、A。君は料理を作れるかな？」

『料理ですか？･･････まあ、人並みには･･･』

江戸川「じゃあ、決まりだ。僕は今、卵包飯(オムライス)が食べたい」

『え、卵包飯？どうしたんですか、いきなり･･･。って、そう云うことですか』


私に卵包飯を作れって事か･･･。

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