【江戸川乱歩】初恋は僕の助手。【文スト】

第43話 乱歩さんからの跡。 ページ44

『おはようございます』


朝、探偵社に出勤し、国木田さんに挨拶をする。

すると、国木田さんは挨拶を返してくれた。
そして、私を指差して云った。


国木田「おはよう、A。･･･その首、どうしたんだ」

『首？』

国木田「虫に刺されたように赤くなっているぞ」


虫に刺されたように･･･？
･･･別に、痒くないけどなあ。


太宰「まったく国木田君はデリカシーが無いなあ。･･･Aちゃん、化粧室に行っておいで」

『え？･･･はい』

太宰「首の赤い所、絆創膏を貼っておいた方が良い」


太宰さんは私の背中をグイグイ押して化粧室へと押し込んだ。

絆創膏って云ってたけど、何でだろう？


『･･･っあ。これって･･･』


鏡を見て気づく。

首の一点だけが赤く色づいている。
よく分からないが･･･若しやこれは･･･？


『キスマーク･･･？』


･･･若しかして、乱歩さんから髪飾りを持った時に付けられた･･･！？

そう気づいた途端に顔が赤くなる。


『乱歩さんの莫迦･･･』


私が化粧室から出たのは其れから数十分後の事だった。

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