【江戸川乱歩】初恋は僕の助手。【文スト】

第29話 乱歩さんと嫌な気持ち。 ページ30

江戸川「異能力━━超推理！」





江戸川「あァ、疲れた。あんな簡単な事件に僕を呼ぶなんて･･･依頼人は大袈裟なんだよ」

『あんなのが簡単なんですか･･･。私にはさっぱりでした』


何度目かのこのやり取りも、もう慣れてしまった。
乱歩さんはどんな事件も直ぐに解決してしまうので、私はいつも驚きっぱなしだ。


江戸川「思ったよりも時間がかからなかったけど･･･。どうする、戻る？」

『あ、えっと･･･』


さっきの事が思い出され、旅館にはあまり帰りたくない。

其れが分かったのか、乱歩さんは大きな声で云う。


江戸川「帰りづらいなら、もう少し遅くても良いけど」


･･･気を使ってくれてるのかな。
でも、乱歩さんも疲れてるだろうし･･･。


『私なら大丈夫です！あの旅館は温泉が有名らしいですよ、早く入って疲れをとりましょう！』


無理矢理にでも笑顔を作れただろうか。

迷惑に迷惑を重ねる訳にもいかないから、早く戻って寝て忘れてしまおう。


『行きましょう、乱歩さん！』

江戸川「･･･分かった。無理しないでね」

『･･･しませんよ。安心してください！』





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