第十九話「隣で...」 ページ22
自分の部屋にて
貴「ふぅ、やっと着いた」
ロク「青が多いね...なんだか落ち着く」
貴「ありがとう」
部屋に着いた私はベッドに座った。
近くには窓があり、月の光が入ってくる。
ロク「隣座っていい？」
貴「いいよ」
ちょっとの距離を置き、ベッドに座ったロクサス。
貴「...あ、そうだ...
ロクサス、そこにある箱取ってくれないかな」
ロク「これ？」
座った位置に丁度あった箱。
受け取って蓋を開ける。
貴「...まだ、鳴るかな...」
ネジを回し、オルゴールを鳴らす。
ロク「これ...オルゴール？
静かで、とても綺麗な音だね...」
貴「この曲はね、1人で抱えてしまったとある女の子の物語なんだ」
ロク「あ、それ聞いた事ある。
とても悲しい話なんだよな...」
貴「...さ、もう寝よっか」
その物語の女の子は私じゃない。
ただ、立場が似てただけ。
貴(結局は、気に入って買っただけのオルゴール。
どうしてか、この曲を聞くと落ち着くんだよね)
すぐに意識は落ちて行った。
海に沈むかのように、深く落ちて行った。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
翌日、引越し作業を終え、ソラ達の家に着いたあと...。
奏「なぁA」
貴「何、兄さん？」
奏「ロクサス見なかったか？」
貴「見てないけど」
奏「ソラー、Aも見てないって」
ソラ「そっかぁ、何処に行ったんだよロクサス...」
ヴァ「全く、家にも居なかったしな...」
ロクサスを抜いた人数で、荷物を入れ、探しに行く事にした。
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作者名：始音 優希 | 作成日時：2016年9月27日 12時
