001 ページ2
××
ガサガサガサガサ…
『…ハァ…ハァ』
鬱蒼としたジャングルの中を黒髪の赤目が目立つとても可愛らしい少女が息を切らして走っている。
狼《…A、大丈夫か?》
傍には大きな狼を連れて。
『…うん』
返事をしながらも少女は後ろの茂みから聞こえた音に備えて振り向き手にしていた薙刀を構えた。
するとそこから…
ウオォォォォォォ…!!
とても大きな雄叫びが聞こえ、そこから大きなゴリラが出てきた。
『…まただ。狼、いける?』
少女の問いかけに狼は答える。
狼《もちろんだ》
…戦闘開始である。
このジャングルに来てから何度目か分からない戦闘を迎える。
ウオォォォォォォ!!
ドドドドドドドド
ゴリラは雄叫びを上げたあと目をギラつかせ少女に追突しようと向かってきている。
『…鬼刀“観音”…!!』
ザクッ
ウガアァァァァ…!!!!
けれど少女は見事一太刀でゴリラを倒したのだった。
狼《出るまでもなかったな》
『うん。大丈夫だった』
そばにいた狼の頭を撫でると少女は空を見上げてため息をついた。
狼《…もう1週間は経つか》
少女の様子を察した狼が慰めるように少女の顔に顔を擦り付ける。
『…うん』
少女はそれに自分も顔を埋めたあとぽつりと呟いたのだった。
『…ルフィ…ナミ』
少女の言葉を聞いた狼は耳を下げ静かに目を閉じたのだった。
少女の名は“雪鷹A”。
世界で唯一の“鬼”の種族の生き残りである。
その特徴に頭に大きな角。目は透き通る赤色だ。
そんな彼女はこの時代に名を馳せる麦わらの一味である船長、モンキー・D・ルフィの義兄妹である。
もちろん彼女も麦わらの一味の一員である。
Aとルフィは小さい頃から常にいつも一緒にいたため、隣にルフィが居ないことはAにとってダメージが大きかった。
仲間たちに会いたくてもとても広いジャングルでは結局1週間が経とうとしている今でも誰一人会うことは出来ていないのだった。
狼《…ひと休みするか?》
見かねた狼がそう声をかけるもAはしばらく狼に顔を埋めたあとでゆっくり首を振った。
『…ナミが心配。もう少し探してみる』
狼《そうか。では行こう》
少女の言葉に狼は頷くとまたゆっくりと歩き出したのだった。
彼女がナミを心配している理由。
それほ約1週間前船で起こった出来事だった。
××
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はち. | 作成日時:2021年3月19日 22時