はじめましてNY。 ページ5
××
しかしAが首を振った時には時すでに遅く。
「光あるところには必ず影があるのです。何者かがこの街でうごめき、あちこちを破壊しては跡形もなく消え去っている…」
『……』
大きな声で演説をしている彼女の観衆の輪の中に入ってしまっていた。彼女の後ろには魔法の杖らしきものを両手で真っ二つに折った両手が描かれた旗があった。
『……』
それを見てまたAは少し眉を寄せた。
「我々は戦わなければなりません。…貴方も新セーレム救世軍に加わってください!」
一段と大きな声で彼女はそう言った。
そんな彼女をなんとも言えない表情で不安げに見るAとは対照的にニュートは見知らぬ土地の新生物でも見るかのように興味を示していた。
そんな時…
「お姉さん、ちょいとごめんよ。銀行に用があるんだ。はい、ごめんよ」
Aの後ろから背の低いふくよかな男性が大きなトランクを抱えて銀行へ向かおうと演説の観衆をかき分けていた。
トンッ
『…!』
男の人に気づかなかったAは後ろから男の人にぶつかられてしまい、思わずよろけて転びそうになる。
しかし…
ポス…
ニュート「…!…おっと。…A、大丈夫?」
転びそうになる手前で隣にいたニュートが気づいてAを抱きとめるのだった。身構えていたAは想像した痛みより柔らかいニュートのコートが顔にあたってきゅ、と瞑った目を開けた。
『…大丈夫。ありがとう。ニュート』
ほっと息をついてニュートにお礼を言うA。
しかし抱きとめられた彼女とは対照的に男性はニュートが地面に置いていたトランクに躓いて転んでしまうのだった。
ドサッ
そんな音がして男性が転んでしまったことに気づくAとニュート。すると2人はすぐさま男性を助け起こした。
『…大丈夫ですか?』
ニュート「すみません。僕のカバンが…」
すると男性は体を起こしたあと自分の持つトランクを抱え直して笑った。
「いや、大丈夫」
そう言うと男性はまた急ぐようにして群集をかき分けて銀行へ進んでいくのだった。彼が石階段を登っていくのを見届けた頃、ふと2人が前を見ると少し注目を集めてしまったのか演説者、メアリー・ルーがこちらを見ていた。
そして…
メアリー「あなた!我が友よ。何を求めていらしたの?」
そうニュートに呼びかけるのだった…。
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はち.(プロフ) - たこ焼きさん» お返事が大変遅くなってしまい申し訳ないです🙇♀️💦中々時間が取れず、とても久しぶりの更新となってしまいました💦今でも読んでくださっているとは思いませんが、とても暖かいコメント本当にありがとうございました😊 (2022年9月25日 17時) (レス) id: 1f9d07034e (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 早く続編が見たくてたまりません!更新待ってます! (2022年5月31日 7時) (レス) @page14 id: 5358c3cd3a (このIDを非表示/違反報告)
はち.(プロフ) - ひなさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ないです…🙇♀️最近忙しくて時間がなかったのですが最近新作を見に行けてまた書きたいなぁ…と思っているので近々更新させていただきます☺️ (2022年5月7日 16時) (レス) id: 1f9d07034e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 更新しますか? (2022年4月3日 14時) (レス) @page13 id: e08b075bc8 (このIDを非表示/違反報告)
はち.(プロフ) - 巴さん» 2回もコメントして頂き、本当にありがとうございます(^^)嬉しさでいっぱいです!また更新した際には読んでいただけたら嬉しいです! (2022年3月21日 1時) (レス) id: 37902fbb7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はち. | 作成日時:2021年1月16日 19時