検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:44,724 hit

005 ページ8

××noside


after 5 years(5年後)




5年前に生まれた王族の姫君。
花のように可愛らしい姫は“A”と名付けられた。


“女の子”が産まれたと聞かされた時、国中の鬼の戦士たちは耳を疑った。けれど“時が来た”のだと。誰もが覚悟を決めた瞬間でもあった。


けれどそんなことは知らず。鬼姫はすくすくと美しく育っていった。今年で姫は5歳を迎える。


今日は姫の誕生日だった。


けれどそんな日のこと。


「姫様?姫様ーッ!!」


「どこにいらっしゃるんです!?」


「国王様、姫様がいらっしゃいません!」


王宮は姫がいないと大騒ぎになっていた。
そんな時姫はと言うと…


『…よし』


城を抜け出していた。


狼《…また後で叱られてもしらんぞ》


…父に仕える狼の狼と共に。


『…怒られるのは嫌だな』


そして戦士たちが暮らす街へと向かって行った。
姫がトコトコと歩いていると…


「あら?A様!お誕生日おめでとうございます」


「え!?姫様!?今日は王宮で宴会ではないので!?」


「また抜け出してきたんでしょう!ハッハッハ!とんだお天馬姫だ!」


国中の戦士たちが気づいてあっという間に囲まれてしまった。けれどみんな優しい顔をして笑っている。そしてみんなに頭を撫でられたり抱き上げられたりしている。


『…着物が今日は一段と重いから抜け出してきた』


「アッハッハ!」


「ふふ」


素直で可愛らしい姫様。そんな彼女は間違いなく国の光だった。
姫様が抜け出すのはいつもの事。けれどそれを誰も国の人が怒ることは無かった。何故なら…




『…おばあちゃん。腰が痛いのはなおった?』


「おや。姫様。また抜け出してきたのかい。あなたのお顔を見たら痛みなんて飛んじゃいましたね」


『…?どこで怪我したの?あの男の子にやられた?待ってて』


「ゲッ…姫様!!悪かったって!……痛ッッッてェェェ!!」


『…うさぎ。怪我してる。手当してあげるからお医者さんのとこ行こう』


「おや。姫様。……あぁ。なるほどな。今すぐに手当してやろう」




…誰にでも優しく強く平等な姫様。そんな姫を誰もが慕い見守っていた。そしてそんな姫は動物からもよく好かれた。元々、妖は動物と共存して暮らしていたがAの懐かれようには皆驚いた。


姫が見つからなければ大体森の中の花畑。そこに行けば動物達と遊ぶAがいるのだった。


綺麗な着物はいつも泥だらけ。けれど戦士たちはそんな姫が大好きだった。




××

006→←004



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
230人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

えいみ(プロフ) - 続きを書いてもいいでしょうか? (2022年8月20日 21時) (レス) @page1 id: 3c67f62593 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。待ってます。 (2021年12月1日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月6日 0時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はち. | 作成日時:2021年1月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。