《5》あれ… ページ6
Aside
何が起こったのか、分からない。
気づいたら僕は、見知らぬ海岸に倒れていた。
今まで僕は寝ていたはず……あれ…僕、なんで……
寝起きのせいか、頭が回らない。
まぁ……いいや…寝よう…少し眩しいけど、眠気が勝っているから、そんなのはどうでもいい。
ザッ……ザッ…ザッ…
浜辺を歩く足音がする……どうやらこっちに向かってきているらしい。
地上、ということは…人間か。人間が僕に何の用だ……
そういえば人間は、生き物の肉を食べるって聞いたことがある。クジラのおじいさんに教えてもらった。
僕も人間に食べられるのかな…?まぁ、どうせ永遠に暇な日が続くなら、変わった死に方もいいかもしれない…うん、抵抗しないでおこう……それよりも眠いんだ…
??「もしもーし、生きてますかー?大丈夫ですかーー??」
僕の傍に来た人間(?)が、頭の上から声を掛けてくる。
うぅ…うるさい……僕は今から寝るんだ……食べるなら大人しく食べてくれ…
??「うーん………よっ、と…」
人間の腕…なのか分からないが、膝の下と背中の下に腕らしきものが回されて、そのまま抱き上げられる。
冷たい波が身体に掛かるの、気持ちよかったのに…
心の中で愚痴を言いつつ、ちらりとその人間を見る。
そいつは、優しい顔をしていた。僕の事を食べようと考えている様子でもない。
…こいつの腕の中、心地いいかもしれない……海の中には及ばないけど、さっきの海岸よりは気持ちよく眠れそう。
…うん、寝よう。
そうして僕は、二度寝をすることにした。
____のに
『ぅ、あ……ぁ…うぅ…』
なんでこんなことに……!?!?
知らない人間、知らない生き物、音、知らない匂い、知らない物、知らない空間………
目を覚ますと、いつの間にか、見たことがないものばかりに囲まれていた。
青い人間と黒い生き物には声をかけられた。けどそんなの気にしていられない。見るもの起こるもの全てに驚き、恐怖で身体が震える。
いたい、痛い……!胸の中の何かが激しく動いて……なに、これ、こんなの知らない…!怖い…!
初めて起こる身体の現象にも理解がついていけず、ただただ怯えるばかりだった。
気がつくと、目から海水が流れ出ている。
なんなんだ、これ…なんだよ……!!
もしかして僕は、死んでしまうのだろうか。死ぬから、こんなに身体が変になってしまったのだろうか。
意識が遠のいていくのを感じたその時、暖かい声が耳の奥に届いてきた。
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雪葉(プロフ) - 霊華さん» わぁぁ、ありがとうございます!! (2018年11月23日 16時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - くっそ可愛いじゃねぇか! (2018年11月20日 17時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!僕も初めて小説を書いて、少し不安だったのですが、気に入って頂けてとても嬉しいです!宜しければこれからも楽しんでいって下さい! (2018年8月19日 0時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - コメント失礼致します( ..)" 更新される度拝見させてもらってます!ドラマダの夢小説を見つけたのがこれが初めてだったので、拝見させてもらったのですが、とても面白くてハマってしまいました(*'ω') これからも無理の無い程度に更新頑張って下さい! (2018年8月18日 15時) (レス) id: f2889be617 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - ユトさん» コメントありがとうございます!ノイズが言ってくれてよかったです(笑)この作品を見つけて下さりありがとうございます!これからも是非楽しんでいってくださいね! (2018年8月16日 19時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪葉 | 作成日時:2018年8月8日 23時