【ドラマダ】深海少年。【クリア】

《37》これは、その…！ ページ42

その姿を見て、クリアの思考回路はフリーズした。

目の前には自分のシャツと下着しか身につけていないA。しかも内股で尻もちをついているため下着が丸見え。

これは…

クリア「(物凄くいけないことが起きているような…！！)」

『ち、違っ…これは、その…！』

クリアが何も言えずに固まっていると、Aは、顔を真っ赤にしながらクリアを見上げ、泣きそうな表情で誤解を解こうとした。

Aは裸になることは慣れている。恐らく、今の格好が恥ずかしいのではなく、クリアのシャツを勝手に着てしまっていることが恥ずかしいのだろう。

フリーズ状態からはっと我に返り、この状況を何とかしなければと慌てて思考を巡らす。

だが…Aの格好がチラつき、なかなか処理能力が働いてくれない。

気がつくと真顔でAの目の前にしゃがんでいて、何故か手がAの頬に触れていた。

『…くりあ…？』

クリア「…わああっ！？ぼ、僕は何を…！？」

慌ててAから距離を離すと、もう頭の中が混乱して処理能力やら状況整理する余裕もなかった。

それはAも同じだった。何が起きたのか分からず、ぽかんとした表情でクリアを見つめている。

クリア「…え、っと……風邪を引いてしまうので、早くお風呂に入ってくださいね…！」

冷静な対応をしたつもりなのだが、自分は何を言っているんだ、と心の中で思わずつっこんでしまった。

扉を閉めて、再び浴槽に浸かる。そして……

クリア「っ〜〜〜！！！」

手で顔を覆い、言葉にならない叫びをする。その顔は、耳まで真っ赤に染っていた。

クリア「(僕は小さな子供相手になんてことを…しかもAさんに…！！マスクがあったら被りたい…！！ナイフがあったら頭に突き刺したい…！！あぁぁぁ……)」

後悔やら自己嫌悪やらが混じり、思考回路がショート寸前になる。

正直、あの格好のAに＿＿＿興奮してしまった。
Aの裸は見慣れているし、Aも裸を見られることは気にせずに、いつも通りの表情をする。

けど……人間が萌えるであろう格好に、あの反応は、きっと誰でも反応してしまう。

クリア「(落ち着けクリア……あれは誰でも興奮するものだ…僕は悪くない…僕は普通……いや子供に興奮するってそれただの変態か犯罪者じゃ……)」

まさか自分はそんな趣味があったのかと、自分で自分を疑い始めてしまう。
それを止めるかのように、風呂場の扉が音を立てて開いた。

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