《4》初めての出会い ページ5
「このあとどうするかは、この子が起きたら考えようかね」というタエの言葉で一旦落着し、クリアとタエは昼飯を作りに台所へ向かった。
残された蒼葉と蓮は、少年の様子を見ていろ、と言われたため、ソファの側で寝顔を眺めていた。
__しかしこいつ、顔整ってんなぁ……寝てるだけで絵になるって、相当だぞ…
見ているだけでも飽きない、というのはこのことだろうか。時間がたっていく度に、新たな発見が次々と見つけられる。
眉毛もまつ毛も、髪の毛と同じ綺麗な真っ白な色。
寝息に紛れてたまに漏れる声は少し高く、多分喋ったら物凄く綺麗な声なんだろう。
試しに、頬を指でつついてみると、マシュマロのようにふにっと柔らかく、ひんやりと冷たかった。
__最初は警戒してたけど、こうやって見るとただの子供だな…
気持ちよさそうに寝ているのをずっと見ていると、なんだかこっちまで眠くなってくる。
今日は元々仕事も休みで、家でのんびり過ごすつもりだったのだ。
見守りは蓮に任せて、俺も寝よう…ソファに頭を置いて、眠りにつこうとした時
『わ、っ……』
幼い声が聞こえたと思ったら、バタバタッと何かが暴れ始めた。
直ぐに頭を起こし、少年が寝ていたソファを見る。
と、そこには、恐怖に怯えきった様子でこちらを見つめている少年がいた。
蒼葉「お、お前……」
急なことで頭が回らず、とにかく落ち着かせようと声をかけるが、それが逆効果だったらしく、更に怯えてしまった。
『ぅ、あ……ぁ…うぅ……』
足がすくんで動けないのか、ソファの隅で身を丸くしながら震えるばかりだ。
蓮『少年。何も怖くないぞ。』
蓮が尻尾を振りながら優しく声をかける。子供なのだから、動物を見れば少しは心が安らぐと判断したのだろう。
…が、それも逆効果。水色の瞳が段々と潤んでいき、ついに泣き出してしまった。
と、そこへクリアが台所から戻ってくる。
クリア「あ、目が覚めたんですねー!」
蒼葉「ちょ、馬鹿!そんな大声だしたら…」
「余計に驚くだろ」と注意をしようとしたが、直ぐにやめた。
少年が、クリアに助けを求めるように抱き着いたのだ。
クリア「わわっ…!…ふふ、どうしたんですか〜?何も怖くありませんよ〜。」
幼い子供に抱きつかれて嬉しいのか、優しく頭を撫でながら、あやす様に言葉をかける。
すると、怯えきって震えていた体も徐々に落ち着き、ちらっと蒼葉と蓮を見やる。
………それが、初めての出会いだった。
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雪葉(プロフ) - 霊華さん» わぁぁ、ありがとうございます!! (2018年11月23日 16時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - くっそ可愛いじゃねぇか! (2018年11月20日 17時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!僕も初めて小説を書いて、少し不安だったのですが、気に入って頂けてとても嬉しいです!宜しければこれからも楽しんでいって下さい! (2018年8月19日 0時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - コメント失礼致します( ..)" 更新される度拝見させてもらってます!ドラマダの夢小説を見つけたのがこれが初めてだったので、拝見させてもらったのですが、とても面白くてハマってしまいました(*'ω') これからも無理の無い程度に更新頑張って下さい! (2018年8月18日 15時) (レス) id: f2889be617 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - ユトさん» コメントありがとうございます!ノイズが言ってくれてよかったです(笑)この作品を見つけて下さりありがとうございます!これからも是非楽しんでいってくださいね! (2018年8月16日 19時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪葉 | 作成日時:2018年8月8日 23時