《17》そんなの辛すぎる。 ページ18
『え…？』
その言葉の意味がわからず、クリアの顔を覗き込む。
クリアは僕と目を合わせずに、淡々と続けた。
クリア「時々、こうして海を眺めるんです。その時、Aさんはその海にいた……それってつまり、お互いを認識していなくても、出会っていたって事じゃないですか？」
…お互いを認識していなくても……出会って……？
確かに、くりあが海の近くに来たなら、同じ空間にいることになる、けど……
『んん…そうなのかなぁ…？』
クリア「ふふ、そうですよ。じゃぁ、行きましょうか！」
『え？ちょ、わああっ！？』
急に動き出すから、思わず身体を密着させて抱き着いてしまった。
クリアは、今いる場所から一気に砂浜へと走る。
『……あ………』
砂浜へ着くと、クリアの腕から降りて、海を眺める。
地上から海を見るのは初めてだった。人間にとっては、海面だけでも広いと感じるだろうけど、深海に住む僕にとっては……とても、小さく見えた。
何も喋らずに、ただただ海を見つめていると、寂しそうな声が耳に届く。
クリア「…僕も、Aさんと一緒に泳いでみたいです。」
『…泳げないの？』
直球で聞くのは流石に失礼だっただろうか、とふと思ったが、くりあは苦笑いして答えてくれた。
クリア「…わからないんです。水には普通に対応しているのですが、水の中に長時間というのは…」
自分の手を見つめて、惜しそうに呟く。
…確かに、僕が熱い水の中に入れられた時も、クリアは僕を押さえるだけだった。
海が好きなのに……入れないなんて、そんなの辛すぎる。
唇を噛み締めると、僕が今着ている服に手をかけ、そのまま脱いだ。
上半身裸になると、そのまま海水に向かって歩く。
クリア「え、ちょっ…Aさん！？何して＿」
『くりあが……くりあと僕が、ここに来た証＿＿』
なるべく遠くまで進んでいくと、目を丸くしているくりあに向かって、微笑みを浮かべる。
そして自ら吸い込まれるように、海へと沈んでいった。
クリア「＿＿！！！」
遠くから、声が聞こえた。けれど僕はそれを無視して、深く、深く落ちてゆく。
海へ戻ることを躊躇ったことを後悔しながら、僕が大好きなあの場所へ向かった。
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雪葉(プロフ) - 霊華さん» わぁぁ、ありがとうございます！！ (2018年11月23日 16時) (
レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - くっそ可愛いじゃねぇか！ (2018年11月20日 17時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます！僕も初めて小説を書いて、少し不安だったのですが、気に入って頂けてとても嬉しいです！宜しければこれからも楽しんでいって下さい！ (2018年8月19日 0時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - コメント失礼致します( ..)" 更新される度拝見させてもらってます！ドラマダの夢小説を見つけたのがこれが初めてだったので、拝見させてもらったのですが、とても面白くてハマってしまいました(*'ω') これからも無理の無い程度に更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 15時) (レス) id: f2889be617 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - ユトさん» コメントありがとうございます！ノイズが言ってくれてよかったです(笑)この作品を見つけて下さりありがとうございます！これからも是非楽しんでいってくださいね！ (2018年8月16日 19時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪葉 | 作成日時：2018年8月8日 23時
