《15》終わった! ページ16
朝食を食べ終わると、食器を片付ける為、クリアは台所に向かった。
カチャカチャと食器が擦れる音に釣られ、Aがひょこっ、と顔を出す。
クリア「…あれ、Aさん?」
『…手伝いに来た。さっきのお詫び』
さっき…というのは、今朝のあれのことだろう。だが、まだ気にしているのか、こちらに近づいて来る様子がない。
クリア「ふふ、じゃぁ…お手伝い、お願いしてもいいですか?」
優しく微笑んでやると、ぱぁぁっと表情を明るくして、隣に駆け寄って来た。
わかりやすく説明をして指示をすると、飲み込みが早いのか、すんなりとこなしていく。
タエ「おぉ…私がクリアに教えた時より随分飲み込みが早いじゃないかい。」
いつの間にかいたのか、タエが感心したようにAを目で追う。
クリア「うぅ……否定できません…」
洗い物を終えたクリアが、タオルで手を拭きながらタエの隣に立つ。
2人に見られていることにも気づかず、Aは与えられた自分の仕事を夢中でやっていた。
『くりあ、終わった!』
やり遂げた達成感が嬉しいのか、目をキラキラさせながら2人に駆け寄る。
それがとても可愛らしく、クリアは思わずAの頭を撫でていた。
タエ「これなら、家の家事はクリアとAだけで充分かもしれないねぇ」
クリア「いえ、タエさんあっての僕なので!」
タエ「ふん、そうかい。」
クリアの言葉を聞いて、心做しか、タエは嬉しそうな表情を浮かべた。
そこへ、蒼葉が台所に顔を出した。
蒼葉「じゃぁ俺、仕事行ってくる。」
タエ「あぁ、いってらっしゃい。」
クリア「いってらっしゃい、蒼葉さん!」
『…?いってらっしゃい!』
タエとクリアの真似をして、Aも元気よく蒼葉を見送る。
それが嬉しかったのか、「いってきます!」と、返事をして家を出ていった。
すると、何か思い出したかのように、タエがクリアに言葉をかける。
タエ「あぁ、そうだ。クリア、Aと一緒に散歩でもしたらどうだい?」
クリア「散歩…ですか?」
タエ「あぁ。Aはまだ、この世界のことを知らないからねぇ。」
_なるほど、と思考を巡らせる。
確かに、Aは海から此処へ運ぶまで眠っていたため、この街のことも知らない。
確かに、外に出るメリットはある。
クリア「…そうですね。わかりました!」
『僕達もどこかに行くの?』
クリア「はい!Aさん、今から外に出かけましょう!!」
『………え?』
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雪葉(プロフ) - 霊華さん» わぁぁ、ありがとうございます!! (2018年11月23日 16時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - くっそ可愛いじゃねぇか! (2018年11月20日 17時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!僕も初めて小説を書いて、少し不安だったのですが、気に入って頂けてとても嬉しいです!宜しければこれからも楽しんでいって下さい! (2018年8月19日 0時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - コメント失礼致します( ..)" 更新される度拝見させてもらってます!ドラマダの夢小説を見つけたのがこれが初めてだったので、拝見させてもらったのですが、とても面白くてハマってしまいました(*'ω') これからも無理の無い程度に更新頑張って下さい! (2018年8月18日 15時) (レス) id: f2889be617 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - ユトさん» コメントありがとうございます!ノイズが言ってくれてよかったです(笑)この作品を見つけて下さりありがとうございます!これからも是非楽しんでいってくださいね! (2018年8月16日 19時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪葉 | 作成日時:2018年8月8日 23時