《12》好意は、 ページ13
クリア「ごめんなさいぃ……」
あの後、なんとかAの目は覚めた。だが、まだ身体が痛むのか、複雑な表情をしたまま目の前で正座するクリアを見つめていた。
クリア「ていうか、何で蓮さんはいいんですか！？」
『れんは重くないから、いてもいなくても変わらなかった。くりあが悪い。』
ぷくーっ、と可愛らしく頬を膨らませて、クリアを説教する。
＿＿Aの説教、なんか可愛いな…
と、隣で見ていた蒼葉は心の中で苦笑いをした。
そんな可愛らしい説教も虚しく、クリアはしつこく声を荒らげる。
クリア「だって蒼葉さんだけずるいじゃないですかぁっ！うわぁぁんっ！！」
…子供の目の前で、大の大人が泣き喚いている。
他人がこの光景を見たら引くだろう。
いや、実際、それを見ていた蓮も、蒼葉も、若干引いていた。
蒼葉「A、もう許してやれ…」
宥めるようにAの背中をぽんぽんと叩く。
そうしていくうちに、むすっとしていた表情もだんだん柔らかくなり、『…いいよ』と小さく答えた。
蓮『クリア、好意であっても、Aを苦しめては駄目だ。』
クリア「うぅ…蓮さんだって乗ってきたじゃないですかぁ…」
しょんぼりと肩を落とすクリアの頭を、小さな手が撫でる。
顔を上げると、
『好意は、嬉しいよ。』
と、Aが嬉しそうに微笑んでいた。
クリア「…Aさぁぁん…」
そんなふたりのやり取りを見ていた蓮と蒼葉は顔を見合わせ、呆れたように笑った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
タエ「ほら、お祝いだ。」
買い物から帰ってきたタエが、ダンボールぐらいの大きな箱をAに渡す。
『…お祝い？』
タエ「ここに住むんだから、色々と必要になるだろう？」
開けようか開けまいか迷っていたが、それを聞いたAは、箱の蓋に手を伸ばし、恐る恐る開けた。
そこには、生活に必要なものがぎっしりと詰まっていた。
Aが1番目につけたのは、洋服。
必死に引っ張り出し、それを目の前で広げてみた。
『…海……！』
海中の美しい景色を全身にプリントした、青いTシャツ。それを強く抱き締め、顔を押し当てた。
タエ「丁度売ってあったのさ。予想通り、気に入ったみたいだねぇ」
満足そうに笑みを浮かべると、Aの頭を優しく撫でた。
クリア「良かったですね、Aさん」
隣に座り、微笑んで呼びかけると、『うんっ！』と、満面の笑みを浮かべた。
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雪葉(プロフ) - 霊華さん» わぁぁ、ありがとうございます！！ (2018年11月23日 16時) (
レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - くっそ可愛いじゃねぇか！ (2018年11月20日 17時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます！僕も初めて小説を書いて、少し不安だったのですが、気に入って頂けてとても嬉しいです！宜しければこれからも楽しんでいって下さい！ (2018年8月19日 0時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - コメント失礼致します( ..)" 更新される度拝見させてもらってます！ドラマダの夢小説を見つけたのがこれが初めてだったので、拝見させてもらったのですが、とても面白くてハマってしまいました(*'ω') これからも無理の無い程度に更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 15時) (レス) id: f2889be617 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - ユトさん» コメントありがとうございます！ノイズが言ってくれてよかったです(笑)この作品を見つけて下さりありがとうございます！これからも是非楽しんでいってくださいね！ (2018年8月16日 19時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪葉 | 作成日時：2018年8月8日 23時
