《11》海の色で、 ページ12
むすっ、と蒼葉が拗ねる。
自分もAに撫でられたいのか、仲良くなりたいのか、それはわからなかったが、蒼葉を見ていたAが小さく笑った。
膝に乗せていた蓮を隣に置いて席を立つ。そして、蒼葉のに駆け寄り、その場に座った。
蒼葉「A…?」
Aが自ら来てくれたことを嬉しく思いながら、微笑んで首を傾げる。
これから何をするのか疑問に思っていると、Aの両手が自分に向かって伸びてきた。
そのまま首の後ろに手を回され__
むぎゅぅっ
顔を首に押し当てる様に、抱き着かれた。
蓮『!』
クリア「!?!?!」
蓮もクリアも驚いているが、1番驚いているのは蒼葉だった。
顔を真っ赤にして、この状況を理解しようと必死に思考を動かしてあたふためいている。
蒼葉「ぅえ、ちょ、A…さん??これは…」
『あおばの髪…海の色で、好きだよ。』
首から顔を離したと思うと、次は蒼葉の頭を抱えるようにして抱き締め、ぽふ、と髪に顔を埋めた。
『海の色は好き…』
幸せそうな声でA呟くと、蒼葉の思考回路はショートした。
蒼葉「っ……」
小さい背中に両腕を回し、ぎゅっと抱きしめ返す。
一瞬、Aの身体が硬くなったのを感じたが、直ぐに力を抜き、『あおば……?』と名前を呼んだ。
蒼葉「あのなぁ……相手が俺だったからいいけど、他の奴にはこんなことすんなよ。」
柔らかい髪をぽんぽん、と撫でてやると、疑問に思いながらもこくりと頷くのがわかった。
クリア「蒼葉さぁん!抜け駆けはダメです〜!」
蓮『同感だ!』
そんな声が聞こえたと思った矢先、Aの背後から2つの影が現れ、そのままAに覆い被さり、重なるように倒れた。
蒼葉「ちょ、馬鹿!重っ…」
クリア「蒼葉さんがいけないんです〜!」
蓮『独り占めは良くないぞ、蒼葉。』
1番下で下敷きになっている蒼葉は、顔を真っ青にしてクリアをバンバン叩く。
クリア「ん〜、むぎゅぅ〜!」
だがクリアはそれには動じず、Aと蒼葉を抱き締める力を更に増した。
蒼葉「むぎゅぅ〜!じゃなくて!!馬鹿!!Aがっ……」
クリア「えっ?」
その言葉を聞いて嫌な予感がしたクリアは、すぐに身体を起こして退いた。
クリアと蒼葉の間に挟まれていたAは…
『………』
目を回しながら伸びていた。
クリア「わぁあぁっAさん!?大丈夫ですか!?!?Aさぁぁあぁぁんっ!!!」
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雪葉(プロフ) - 霊華さん» わぁぁ、ありがとうございます!! (2018年11月23日 16時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - くっそ可愛いじゃねぇか! (2018年11月20日 17時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!僕も初めて小説を書いて、少し不安だったのですが、気に入って頂けてとても嬉しいです!宜しければこれからも楽しんでいって下さい! (2018年8月19日 0時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - コメント失礼致します( ..)" 更新される度拝見させてもらってます!ドラマダの夢小説を見つけたのがこれが初めてだったので、拝見させてもらったのですが、とても面白くてハマってしまいました(*'ω') これからも無理の無い程度に更新頑張って下さい! (2018年8月18日 15時) (レス) id: f2889be617 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉(プロフ) - ユトさん» コメントありがとうございます!ノイズが言ってくれてよかったです(笑)この作品を見つけて下さりありがとうございます!これからも是非楽しんでいってくださいね! (2018年8月16日 19時) (レス) id: 964266bff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪葉 | 作成日時:2018年8月8日 23時