逆眠り姫。前編《柊羽》 ページ7
『柊羽だ…』
次のターゲット、和泉柊羽が現場に入ってきた。私はそっと隠れて様子を伺っている…。
呂庵「今日のゲストは、柊羽でーす!」
…若干そわそわしてる?
零「いらっしゃい」
柊羽「和泉柊羽です、よろしくお願いします」
挨拶をして、軽いトークをして、前の2人と同じようにマッサージへ…そして眠ったのを確認し、呂庵達とバトンタッチすると、ふたりきりの空間で私は静かに柊羽を見つめた。
……綺麗だな寝顔。
しばらく躊躇ったり悩んだりしたけど…覚悟を決めてそっと顔を近付けると、そのまま勢いよく…だけど優しく唇を重ねた。
『……ん…っ』
柊羽「……んん…」
唇を離すと少しだけ驚いた顔をしている柊羽と目が合った。
『…は、ぁ……おはよ、柊羽…』
柊羽「……A、どうしたんだ?まさか…彼女が出来なくてやけになってしまったのか…?」
何秒かぽかんとした顔で私を見ていた柊羽は、私の存在を確認するとブツブツ呟き始めた。内容がちょいと失礼な気がするが。
『大丈夫?私は彼女出来ないからって柊羽を襲ったりしませんよー?』
柊羽の顔を覗き込むと、柊羽はいきなり私の両肩を掴んだ。
『…?』
柊羽「A…あれだけ仕事は選べと言ったのに…。こんな仕事、断っていいんだぞ?」
『うっ…それ言ったの何年前だよ。それに、これは社長が私を選んでくれたし、ドッキリも面白そうだったし…』
柊羽「……あぁ、ドッキリなのか。いや、それでももっと別の内容をだな…」
なんかお説教が始まる予感。隠しカメラの方を見てモニタリングルームの呂庵と零さんに助けを求めると、すぐにドッキリの看板を持って来てくれた。
呂庵「ドッキリでしたー!」
零「途中からお説教タイムだったな」
柊羽「…呂庵がそわそわしていたのは、ドッキリの仕掛け人だったからか」
呂庵「えっ、そわそわしてた!?」
零「してたな」
『してた』
呂庵「わーやっちゃったー!でも成功したからいっか!…それに、夢がひとつ叶ったしね」
零「夢?」
呂庵「うん!ほら、俺達と柊羽が同じユニットだった時代…同い歳のAちゃんと仲良くなって、いつか共演したいねーって3人で話したじゃん!」
柊羽「あぁ…懐かしいな。そんなことも話したな」
『……覚えてたんだ…よかった、ちゃんと叶って』
零「いい終わり方だな」
柊羽「…だが、もっと別の内容で共演したかった」
確かに…と全員の心が一致した瞬間だった。
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雪藤(プロフ) - 未來さん» はじめまして、こんにちは。こちらこそ、コメントありがとうございます!1から読んでくださっているのですね、本当にありがとうございます!これからもだらだらとやっていきますので(笑)どうぞよろしくお願い致します! (2019年6月14日 9時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
未來(プロフ) - 初コメ失礼します。Infinit0を出していただきありがとうございます!元々Growthが好きで1からずっと読んでいるのですがここで彼らが登場するとは…これからも更新楽しみに待ってます! (2019年6月14日 4時) (レス) id: 7ebd59770b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年6月13日 10時