混沌ウェディング編3話 ページ27
昂輝「Aさん…!お綺麗です、俺の花嫁になってください」
コウと合流し、嬉しそうに駆け寄ってきたタキシード姿のコウは私の手を取って指先に口付けた。
『ありがと、コウもすごく綺麗だよ?かっこいい』
昂輝「…!(ぱぁっ)ありがとうございます!」
一同(求婚をスルーした…)
しばらく私を嬉しそうに見ていたコウは、ふと視線を私の横にずらして固まった。
昂輝「……あ」
雅楽「…あ、じゃないわよ。温度差がすごいわね」
昂輝「お久しぶり、ですね?ドラマの撮影が終わって、もう二度と会わないことを願っていたのですが」
雅楽「そんなに!?そんなに会いたくなかったの!?まさか歳下にそんな態度をとられるなんて…!」
昂輝「Aさん、こちらに。彼女に近付いてはいけません」
コウは私の手を引いて、雅楽さんと私の間に立った。初めて彼と仕事をした日…雅楽さんとの過去を話してから、コウはずっと、こうして私を守ろうとしてくれている。
『コウ、大丈夫だよ?ありがとう』
昂輝「…ダメです、俺は…なにがなんでも貴女を守りたいんです」
雅楽「……。衛藤、いいもの見せてあげる」
そう言って雅楽さんは、さっき撮った写真をコウに見せた。ウェディングドレス姿の私達が、笑顔で写っている写真…
昂輝「…!ずるいです、Aさんの写真!」
雅楽「違うわよ馬鹿!仲良くツーショット出来るくらいになったって言いたかったのに!」
どうなってんのあんた!と雅楽さんが唸った。昔の雅楽さんはもっとお淑やかだったんだけど…今はもうずっとこんな感じだ。どっちの雅楽さんも好きだけどね?
『…ふふ』
昂輝「…?なぜ、笑っているんですか?」
『いや、面白くて』
そう言って笑うと、2人も笑顔になってくれた。
私の仕事は写真撮影と、その後結婚式場で雑誌のCM撮影らしい。昂輝は私の相手役なんだとか
雅楽「信じられない…Aの相手は私よ」
昂輝「Aさんに触らないでください、あなたには渡しません」
私の腕を引っ張って抱き寄せる雅楽さんVSコウの戦いがまた始まろうとしている…大人げない2人だ。スタッフさんが困っちゃうぞ、と周りを見てみると、スタッフさん達は楽しそう?に私達のやりとりを見守っていた。
『……変な現場だ』
まともな人が見たらカオスな現場だろうな、と静かにため息をつきながら喧嘩する2人の間で大人しく目を閉じた。
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雪藤(プロフ) - 未來さん» はじめまして、こんにちは。こちらこそ、コメントありがとうございます!1から読んでくださっているのですね、本当にありがとうございます!これからもだらだらとやっていきますので(笑)どうぞよろしくお願い致します! (2019年6月14日 9時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
未來(プロフ) - 初コメ失礼します。Infinit0を出していただきありがとうございます!元々Growthが好きで1からずっと読んでいるのですがここで彼らが登場するとは…これからも更新楽しみに待ってます! (2019年6月14日 4時) (レス) id: 7ebd59770b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年6月13日 10時