逆眠り姫。後編《昂輝》 ページ22
衛「ついに…来てしまった」
涼太「……やっぱりやるんだね?」
剣介「………A姉…」
……Growth全員いる感じかよこれ。ホテルの、昂輝が泊まる部屋の前に衛達3人は立っていた。
剣介「実は俺たち、わざわざ部屋借りたんだ。で、衛が聞き出した予定の時間に全員で起きて、ここに来た」
涼太「仕事だから止めはしない…ただ、見守るだけ」
衛「部屋には入らないから…お願い、入口付近にいさせて欲しいんだ」
『……わかったよ。最初は、私一人で行くから』
彼らは引き下がらないと思った私は、彼らを自由にさせつつとりあえず1人で中に入った。そして外の様子など知らないであろうコウに、ゆっくりと近付いた…ら、腕を掴まれ視界が反転した。
『……!?』
背中を打ち付けられ、身体を押さえ込まれた私は、手探りでマイクと目線カメラを外された。
昂輝「……何してるんですか、Aさん?」
『…こ、う…』
表情はよく見えないけど、私に覆いかぶさっているコウの声はすごく低い…。そのままそっと、親指で唇をなぞられて、怖くて目を閉じた。
昂輝「何しに来たんです?」
『……』
昂輝「ねぇ、Aさん…どうして来てしまったんですか?……襲われたいんですか?」
ベッド横の明かりを付けたコウは、耳元で低い声で囁いた。怖くて逃げたくて、嫌だ、と首を振ると優しく頬を撫でられた。
昂輝「……ふっ」
『…?』
小さく笑う声が聞こえた気がして恐る恐る目を開くと、優しい目をしたコウが見えた。
昂輝「大丈夫ですよ、俺はそんなことしません」
『…!』
大丈夫、と頭を撫でられて、懐かしさと安心感で涙が溢れた。コウは私の身体を起こして、優しく抱きしめてまた撫でてくれた。
『……ごめん、コウ…ドッキリなんです…』
昂輝「そうだったんですか?すみません、マイクとカメラ…あっちに投げちゃいました」
『………あー…』
昂輝「ちなみにどういうドッキリで?」
『え?…逆眠り姫ドッキリ?』
昂輝「…??」
『…?』
わからん、という顔をされたけど、優しく頭を撫でる手が気持ちよくて説明する気が起きなかった。
昂輝「…リョウ、衛、ケン…入っていいぞ」
衛「あ…バレてた?」
涼太「……ごめん、コウ」
剣介「…コウ…」
昂輝「ふふ、俺がAさんを襲うと思ったんだろう?安心しろ、俺はAさんが嫌がることはしないから」
3人「…知ってた」
でもやっぱり不安だった!と言って4人は笑いあっていた。
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雪藤(プロフ) - 未來さん» はじめまして、こんにちは。こちらこそ、コメントありがとうございます!1から読んでくださっているのですね、本当にありがとうございます!これからもだらだらとやっていきますので(笑)どうぞよろしくお願い致します! (2019年6月14日 9時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
未來(プロフ) - 初コメ失礼します。Infinit0を出していただきありがとうございます!元々Growthが好きで1からずっと読んでいるのですがここで彼らが登場するとは…これからも更新楽しみに待ってます! (2019年6月14日 4時) (レス) id: 7ebd59770b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年6月13日 10時