4話 ページ6
雪屋side
泣きながら道路に飛び出して、強いライトの光を感じ、無意識に、死ねるんじゃないかとか思ってしまった。…だけど、走って追いかけてきた彼に捕まって、道路の端に一緒に倒れこんだ。
剣介「ねぇ、反省してないよね?…もしかして、死のうとか思った?」
『…!』
バレた…?さすがにそこまで言われないと思っていたからびくっとなってしまった。これはバレたかも
剣介「……死ぬくらいなら、もう一度チャレンジしてみたら?人付き合いが苦手なら、一緒にいるだけでいいよ、俺と一緒においで」
『……。』
剣介「無理に話さなくていい、俺が嫌いなら、別にそう言ってくれれば…俺は諦めるし……その…」
言葉を濁した剣介くんは、一瞬悔しそうな顔をして私を見た。
剣介「…元彼の、代わりでいい」
『……は?』
剣介「俺を、前の彼氏だと思っていいから!だから…俺の手をとって?俺と来て」
…なんで、なんでそこまでするんだろう。昨日初めて会ったのに…意味わかんない。
『…意味わかんない、嫌です。私は、誰かを誰かの代わりにしたくない!…あの人は、私に疲れたと言いました。貴方は、Growthとして仕事がたくさんあるでしょう!?そんな多忙な人の負担になりたくない、だから関わらないで』
剣介「……A」
『やめて…そんな目で見ないで!……助けてくれてありがとう、恩はちゃんと返す…でも、今日は帰らせて?落ち着いたら、ちゃんと恩返しするから』
剣介さんの手をそっと下ろして、ふらふらと立ち上がって歩き始めた。彼はショックを受けてしまったのか、その場から動かない…ごめんね、と心の中で謝って早歩きで目的地へ向かった。
建物の中に入ると、早速知り合いに見つかってしまった。
昂輝「……あれ、A?」
『…!こ、昂輝くん』
目的地…ツキノ寮。この日は志季さんに呼ばれていて、剣介さんも住んでいる代官山寮に行かなければならなかった。
『……。』
昂輝「…泣いたのか?どうした」
私の存在を知っているのはSolidSとQUELL、そして各ユニットのリーダーのみ。特に同い歳の昂輝くんと空くんはたまに会う私に仲良くしてくれる。
『…ごめんなさい。私…貴方の友達傷付けた』
昂輝「それは、どういう…」
『ごめんなさい…またね』
昂輝「あ…」
昂輝くんにお辞儀をして、逃げるように上にあがっていった。
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雪藤(・×・)(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます!なぜか自然と志季さんがお父さんポジションを獲得してしまうんですよね…(苦笑)コメントとっても嬉しいです、頑張ります! (2019年9月1日 6時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - すごく面白いです(*´ω`*)他のシリーズでも志季さんがお父さんしてるのが好きなのでこれからの更新を楽しみにしてます! (2019年8月31日 20時) (レス) id: f669d38244 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年8月31日 8時