44話 ページ46
篁side
志季「柊羽。Aが部屋から出てこなくなってしまった」
柊羽「あぁ。昨日も聞いた」
もう1週間くらいだろうか…Aが部屋から出てこないし、連絡もつかない。仕事にも来ない。
志季「1週間前にしばらく居ないものと思ってくださいと言われ、それ以来話していないが…Aはどうしてしまったんだ」
柊羽「それを俺に聞かれてもな。…昂輝は、剣介から何も聞いていないか?」
昂輝「…ケンは、5日くらい前からAと連絡がつかないってそわそわしてます。俺も連絡したんですが…ダメでした」
空「え、Aちゃんに何かあったの…?大丈夫かな」
会議は終わったとはいえリーダー会議の時に話すことじゃなかったか…。空達も不安にさせてしまったことを反省しつつ、携帯を見て今日も返事がないとため息をついた。
隼「僕の占いでは…1週間前に彼女の身に大きな不安と恐怖心が芽生えてしまった、と」
昂輝「大きな不安…?」
始「恐怖心…」
隼「さて、この先はわからないけれど…まぁ、もうしばらくしたら彼女は来るんじゃないかな?1週間もお仕事休んじゃったわけだし」
ね?と微笑んだ隼を見ていると、扉をノックする音が聞こえ、扉からAが顔を出した。
隼「おや、予想より早いね」
『……。』
志季「A…」
やつれている…。まさか、ろくに何も食べなかったのか?色々聞きたいことはあったが、何よりも倒れてしまいそうなAが心配だった。
志季「…。」
昂輝「…A、ここおいで」
Aが倒れないように、と彼女の手を引きながら昂輝は自分が座っていた席にAを座らせた。
昂輝「このお茶飲んでないから…飲むか?」
『…もら、って…いい?』
昂輝「あぁ。どうぞ」
すすす、とお茶を飲む彼女を全員で静かに見守っていると…恐る恐る、Aが口を開いた。
『志季さん…』
志季「…?」
『ごめん…私、志季さんとお仕事出来ない…。この世界に、居られないよ…』
志季「…!な、何があった。何故1週間も…」
柊羽「志季。問い詰めるな」
何かを思い出して震え、涙を零し…昂輝と空に優しく慰められるAを、俺は見ていることしか出来なかった。
志季「…A…」
『…っ』
なぜ…また彼女は泣いているんだ。
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雪藤(・×・)(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます!なぜか自然と志季さんがお父さんポジションを獲得してしまうんですよね…(苦笑)コメントとっても嬉しいです、頑張ります! (2019年9月1日 6時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - すごく面白いです(*´ω`*)他のシリーズでも志季さんがお父さんしてるのが好きなのでこれからの更新を楽しみにしてます! (2019年8月31日 20時) (レス) id: f669d38244 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年8月31日 8時