43話 ページ45
ケンくんのお部屋にお泊まりして数日。志季さんに連れられプロデューサーの会議に出席し、その後は前から頼んでいたまた別のタレントさんの撮影現場等々を見学した。
『忙しい…あっち行ったりこっち行ったり』
事務所行って、別のスタジオ行って…物凄く足が鍛えられそうだな。まぁ外にいれば多く発見と出会いがあると信じて…今日も頑張って走るのです。
『…わ…すごいなぁ』
こそっと撮影現場を覗くと、別の事務所のタレントさんが撮影しているのが見える。衣装かっこいい…あのデザイン好みだなぁ
『…って、衣装に目が行ってる』
衣装を考えるのも楽しそうだけど…私が描いてもいまいちだから、志季さんにも相談せず心の中に閉まってある。いつか満足するものが描けたら志季さんに見せよっと。しばらく見学していると、撮影を終えた俳優さんが私に近付いてきた。
俳優｢君、すごく可愛いね。女優さんとか？｣
『え？ち、違いますよ…？』
なんか、すごく近い…。1歩退いても近付いてきて、仕舞いには壁際へ追いやられてしまった。
『…！』
俳優｢俯かないで、顔見せて？…あ、ほら。やっぱり可愛い顔してる｣
顔を近づけられ、視線を逸らして誰かに助けを求めようとしたけど…みんな忙しい…。
俳優｢ね、うちの事務所来ない？君可愛いから、ちょっと頑張ればデビュー出来るよ｣
『大丈夫、です！間に合ってます！』
お疲れ様でした！と大声で挨拶して、とりあえずその場から逃げ出した。私はともかくあの人が勝手に移動することないだろう…そう考えて、私は別の階へ逃げた。
『…はぁ…はぁ……もう来ないよね。絶対来ない』
しばらくあの人と、あの人と同じ事務所の人の撮影は見学しないようにしよう…。今回はたまたまちょっと運が悪かっただけだ。震える手を握り、自分に言い聞かせてなんとか足を進めた。
『ここどこだろ…。…ん？』
人の声だ。まぁこの辺でも撮影はやっているのだろう。もう帰ろうと思った時…1人、聞き慣れた声が聴こえて立ち止まった。
『………ケンくん？』
撮影してるのかな、とちょっとだけ覗いてみると…覗いた瞬間呼吸が止まるかと思った。
剣介｢俺、お前が好き…｣
女優｢…！｣
『…！？』
キス…してた？あまりにも衝撃が大きくて、撮影だとか考えられなくて…とにかくその場から離れなきゃと全力で走って建物を出た。
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雪藤（・×・）(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます！なぜか自然と志季さんがお父さんポジションを獲得してしまうんですよね…(苦笑)コメントとっても嬉しいです、頑張ります！ (2019年9月1日 6時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - すごく面白いです(*´ω｀*)他のシリーズでも志季さんがお父さんしてるのが好きなのでこれからの更新を楽しみにしてます！ (2019年8月31日 20時) (レス) id: f669d38244 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年8月31日 8時
