36話 ページ38
雪屋side
衛｢Aちゃん…今は、寂しくない？｣
『…。』
すぐには答えられなかった。色んなことがあり過ぎて、なんて答えたらいいかわかんなくて…言葉に詰まっていると、衛兄が優しく頭を撫でてくれた。
衛｢ごめん、もっと細かく聞けばよかったね。元彼さんのことは置いといて…ケンくんと付き合ってみてどうかな？｣
『え…っと、まだ、付き合い始めたばっかりで…なんとも言えないけど…ケンくんからはいっぱい元気をもらってるよ』
剣介｢…！｣
『ケンくんの笑顔が、私にとっての太陽なんだ』
剣介｢A…ありがとっ！｣
にこっと笑ってくれたケンくんを見て、私も釣られて小さく笑った。この笑顔が、大好きだ。
昂輝｢…衛、心配な気持ちはわかった。でも…今は見守ってやろう？｣
涼太｢そうだよ。ケンがAちゃんを泣かせたら、皆で無理やり引き剥がそうか｣
剣介｢ちょっと待て、めちゃめちゃ厳しいな｣
志季｢いいだろう。涼太のその案にのるぞ｣
『…！し、志季さんっ』
共有ルームの入口を見たら、志季さんが立っていて驚いた。心配して探しに来たのかな…
『し、志季さん…ごめんなさ…い』
駆け寄って、謝ったら頭を撫でられた…。
志季｢さっきは悪かったな。もっと言葉は選ぶべきだった｣
『わ、私も…ごめん』
衛｢し、志季さんはいつからここに…？｣
志季｢付き合ってるの、と衛が叫ぶ少し前にこの階に来た｣
『それ、全部聞かれてた…？』
剣介｢まじか。なんか恥ずかしい｣
志季｢ふっ、剣介がそこまで言うのなら…しばらくAをよろしく頼む。ただ…本当に悲しませたら…その時はわかっているな？｣
剣介｢…！はい、もちろんです｣
真っ直ぐ志季さんを見て頷いたケンくんは、私のところに来て手を差し出した。
剣介｢改めてよろしくな、A｣
『…ケンくん。…よろしくお願いします』
剣介｢おう。一緒に成長しようね｣
『うんっ』
ケンくんの大きな手を両手で包み込むと、もう片方の手でくしゃくしゃっと頭を撫でられた。
涼太｢ちょっとケン、Aちゃんの髪ぐちゃぐちゃになっちゃうじゃん｣
剣介｢あはは、ごめんごめん｣
昂輝｢まぁ、いい感じに話がまとまってよかったな。…頑張れよ、ケン、A｣
『ありがとう、昂輝くん』
今度は志季さんと衛兄に見守られながら、改めてお付き合いすることになったのでした。
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雪藤（・×・）(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます！なぜか自然と志季さんがお父さんポジションを獲得してしまうんですよね…(苦笑)コメントとっても嬉しいです、頑張ります！ (2019年9月1日 6時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - すごく面白いです(*´ω｀*)他のシリーズでも志季さんがお父さんしてるのが好きなのでこれからの更新を楽しみにしてます！ (2019年8月31日 20時) (レス) id: f669d38244 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年8月31日 8時
