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30話 ページ32

雪屋side

剣介「じゃあ、またね!」

そう言って、ケンくんは明るい笑顔で帰って行った。今日がお付き合い最終日だったんだけど、ケンくんに「もっと一緒に居たい!」と言われて普通にお付き合いすることになった。

『……なんか差し入れ持ってこ』

元気にもなったし、志季さんの仕事も増やしちゃったし…お礼と謝罪の気持ちを込めて、とりあえずお菓子を作ることにした。

『明日、会えるかなぁ…』

そんなことを考えながら、大量のクッキーをひたすら焼くのであった。



『あの、涼太さんっ』

事務所内を歩いていたら、涼太さんを見つけて声をかけた。彼は私を見ると立ち止まって、優しく挨拶してくれた。

涼太「おはよう。体調は大丈夫?」

『はいっ、お陰様で。…アライヌくん、というかケンくん…ありがとうございました。あの…これ、Growthの皆さんでどうぞ』

涼太「こんなにいいの?ありがとう」

多すぎたかな?と思うくらいちょっと多めだけど、大量に作ったから仕方ない。男の子だし、いっぱい食べれるよね

涼太「見た目がひとつひとつ可愛いね…大事にいただきます。ちゃんとケンにも伝えとくから」

『ありがとう、涼太さん』

涼太「ふふ、じゃあまたね」

『はい!』

ひゃーきらきらしてる…すごい緊張した…。でもクッキーが割れないように大切に持ってくれる涼太さんを見て、なんだか嬉しかった。

『さて…志季さんに謝らなきゃ』

志季さんもクッキー食べてくれるかな?とりあえず志季さんを探しに、事務所内を走り回った。


志季「…あぁ、A。おはよう」

『志季さん…寝てないの?』

志季「いや、眠れなかった」

どよーんとしてる志季さんに近付くと、なぜか彼はそっと両腕を広げた。

『?』

志季「おいで、ちょっと撫でさせてくれ」

『あぁ…はい』

ぎゅっと優しく抱きしめられて、ふとケンくんに抱きしめられたことを思い出した。…同じ抱きしめる行為なのに、全然感じが違うんだな…

『…お父さん』

志季「…。悪かったな、無理させて」

『いえ。…あのね、クッキー作ったんだけど…食べる?』

志季「あぁ、頂こう。…随分とたくさんあるな」

バッグの中のクッキーの袋を見て、誰に渡すんだ?と聞いてきた。きっとケンくんに渡すと思ってるのね…彼にはもう涼太さん経由で渡した。

『隼さんです。お世話になったので』

…あ、ダッツさん買い忘れた。ま、いいや。

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雪藤(・×・)(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます!なぜか自然と志季さんがお父さんポジションを獲得してしまうんですよね…(苦笑)コメントとっても嬉しいです、頑張ります! (2019年9月1日 6時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - すごく面白いです(*´ω`*)他のシリーズでも志季さんがお父さんしてるのが好きなのでこれからの更新を楽しみにしてます! (2019年8月31日 20時) (レス) id: f669d38244 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年8月31日 8時

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